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人生の一大イベントである結婚式。式当日のヘアセットでひどい前髪にされてしまった女性が弁護士ドットコムに相談を寄せています。

女性は、前髪をななめに流す形でオーダーしていましたが、当日セットがうまくいかず、分け目ができてしまいました。その状態でスプレーを大量にかけられた結果、前髪は汗をかいた後のようにべったりし、「バーコード」状態になってしまいました。

式終了後、あまりにひどい状態だったので式場にクレームしたところ、式場側は写真のデータの修正やビデオ代金、当日のヘアセット代金合わせて25万円を返金すると申し出ました。

女性は式終了後、ショックが大きく「変な前髪でみんなに注目されていたと思うと恥ずかしい」と眠れない日が続いているそう。女性は精神的苦痛を受けたとして、式場側に対してさらに賠償請求できるのでしょうか。高谷滋樹弁護士に聞きました。

●慰謝料の金額は高額にならない

ーー女性が気の毒で仕方ありません。賠償請求は可能なのでしょうか

結論から言えば、式場が非を認めているならば、花嫁が受けた精神的苦痛に対して慰謝料請求に対応する形で賠償責任が認められる場合は多いと思います。ただし、問題は、その慰謝料の金額となります。

ーー慰謝料の金額は、いくらくらいになりますか

現在の日本の裁判実務上、身体侵害に関係しない慰謝料の金額は、高額にならない傾向が顕著です。

具体的な金額は、担当する裁判官の判断次第ではありますが、たとえ結婚式が人生の一大イベントであることを踏まえても慰謝料の金額が、25万円を下回る可能性すらあります。担当する裁判官の個性が顕著に金額に反映するケースとなります。

ーーケースバイケースということですね。ちなみに、式場側は25万円を返金すると申し出ているそうですが…

もし裁判になれば、式場側は返金の申し出を撤回する可能性もあり、結果として25万円すらもらえなくなってしまうという場合もありえます。ちなみに私の事務所の女性スタッフらに尋ねたところ、25万円の返金で納得するという声が多数でした。

また、仮に花嫁の要望が無茶または不適切であったり、一般的に変な髪型とは言えないと裁判官に認定されてしまったら、慰謝料請求自体が否定されることになり、傷口に塩を塗られるような思いになってしまいます。

今回のケースは、式場の担当者も、最大限、花嫁の要望に応えたいという思いで精一杯した結果、起きてしまった事故なのでしょう。花嫁が遭った事故に対して新郎からの適切なフォローがなされれば、夫婦円満につながりトータルではプラスになることを期待します。

【取材協力弁護士】
高谷 滋樹(たかや・しげき)弁護士
国際観光都市・京都にて法律事務所を開設し、ホテル、旅館、民泊、結婚式場からの相談業務にも注力している。
事務所名:都総合法律事務所
事務所URL:http://miyakosougou.kyoto.jp