日本への出張のため、浦東空港にタクシーで向かった時の話。

 前回の経験があるので、タクシーではなく、地下鉄・リニアの組み合わせにしようかと一瞬思わないでもなかったが、やはりタクシーで。

 順調に浦西を抜け、浦東へ。しかしハイウェイに入ってから20分ほどすると、タクシーが路肩に止まった。何事かと思っていると、運転手が「申し訳ない、エンジンの調子が悪いようで、確認します」と。「おいおい」。中国のタクシーに乗っていてもあまりこういう経験はない。何とも、浦東空港までのタクシーには祟られる。

 フライトまでまだ時間があるからしばらくは大丈夫だが、時間がなくなったらどうしようか、運転手に別のタクシーを呼んでもらえるのだろうか? あるいはヒッチハイクだろうか? 高速で? と思って横を走る車を見ると、空車のタクシーも走っていたりする。送迎だろうか?

 幸い、15分ぐらいで確認を完了したのか、再スタート。ただ、運転手は心配なのか、あまりスピードを出さずに、ゆっくり走っていた。前回の悪夢がある分、それはそれで良かったのだが、ゆっくり走ると空港までがだいぶ遠くに感じるものだとも実感。

 空港に近づくと、高速道路の路肩に異常に大量の車が停まっていた。「みんな、エンジンの調子が悪いのか?」とも思ったが、その数があまりにも常軌を逸していて、路肩に渋滞ができるほど。この高速は何度も乗っているが、今までこういう光景を見たことが無かった。

 運転手に聞くと、「時間合わせ。空港に着いちゃうと、時間が合わなければ駐車場に預けなければならず、料金が発生する」と。なるほど。では、なぜ今日になって初めて見たのだろう? 今まで気づかなかっただけか。

 出発ロビー間際の路肩にも数台、停まっていた。運転手「彼らも時間合わせ。ここだと、さっきのところと比べて、見つかって怒られる可能性は高まるけどね」。ぎりぎりを試す、だめだったらまた考える、何とも前向きだ。(編集担当:有田直矢 サーチナ総合研究所(上海サーチナ))