石破前首相に「国力研究会」について聞くと「関与すべきではないし、する気もない」 一方、入会を決めた議員が明かす「ホンネ」とは
【前後編の後編/前編からの続き】
事実上の「高市早苗首相支持グループ」の立ち上げを宣言するものだと受け止められた「国力研究会」の設立。高い支持率を背景に高市一強が続く中、自民党議員たちはこぞって入会を希望しているが、当初意図したものとはかけ離れつつあるという。何が起きているのか。
***
【写真をみる】「メッチャ美人!」の声続々 石破氏が大学時代に“一目ぼれ”した妻・佳子さんの秘蔵写真
前編では、「国力研究会」発足から見て取れる麻生太郎副総裁の「狙い」について報じた。
西田昌司参院議員は「国力研究会」への参加を決めた一人だ。ご本人が言う。
「どこかの新聞は国力研究会が“「自民党参議院クラブ」を結成した石井準一参院幹事長をけん制する意味合いもありそうだ”と書いていましたが、(石井グループの)私は参加しますよ。石井さんも参加するんじゃないかな。入らないと、またいらないことを言われますからね。会の位置付けはよく分かりませんが、そりゃ入るでしょ」

政治ジャーナリストの青山和弘氏によると、
「“国力研究会に入らなければ、高市政権に非協力的だと見られかねない。それならとりあえず入っておこう”と考える議員は少なくありません。会費も月300円ですからね。それを払うことで高市首相ににらまれずに済むなら、“喜んで支払いますよ”ということでしょう。ただ、最終的に党所属議員の大半が参加するようになれば、それは自民党そのものと何が違うのか、という話にもなりかねません。首相周辺からですら“こんな勉強会続くかな”と冷ややかな声も聞こえてきています」
「総裁を支える会をわざわざつくるなんて、今までにないことで違和感」
一方、非主流派の中でもかたくななのが石破政権を支えた面々だ。
岩屋毅前外相に聞くと、
「私は参加しません。総裁を支える会をわざわざつくるなんて、今までにないことで違和感を覚えます」
と、メールで回答した。
森山裕前幹事長も、
「高市首相をみんなで支えるという考えは、一致するところだと思います」
としながらも、
「私は国力研究会に参加するつもりはありません。旧森山派のメンバーがどうするかは、それぞれの判断だと思います」
「何を目指しているのかも分からないしね」
では、石破茂前首相はなんと語るか。
「案内状の書面も全然見ていない。ただ、私みたいな立場でさ、そんなものに関与すべきではないし、関与する気もないな。何を目指しているのかも分からないしね。“この国どうするの?”というのを本当に真剣に考えるなら話は分かるけどさ……」
相変わらずのぼやき節である。さらに、
「政治改革大綱と全く逆のことをやっているわけですよ。おそらく読んだこともない人たちなのでしょう」
自民党はリクルート事件を受け、1989年に「政治改革大綱」を策定した。そこには「派閥の弊害除去と解消」の第一歩として、総裁、副総裁、幹事長ほか党三役や閣僚らは在任中に派閥を離脱するとの項目が盛り込まれていたのだ。
「麻生さんはともかく、岸田(文雄)さんも私も、総理総裁までやった人間はそんなものには関わりません。若い人でもね、“これは違うだろ”と考え、入らない人たちが不利益を被らないようにしないとね」(同)
「最近の自民党議員はヘタレばかり」
政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。
「最近の自民党議員はヘタレばかり。高市人気が高い間は、その人気にすがろうとする。だから、国力研究会に雪崩れを打って参加するのでしょう。ただ、その人気もいつまで続くのか。外交でのアピール能力の高さは高支持率の要因の一つだとは思いますが、冷静に見れば何の外交成果も上げていません。結局、トランプ大統領の前で跳ねたりしているだけですから」
さらに続けて、
「高市首相は中東問題にしても“大丈夫”としか言わない。国民もそう思いたいのでしょう。でも、本当に大丈夫なのか。例えばナフサの供給にしても、すでに末端部分で目詰まりを起こしています。長期金利も2.5%を超えている。これ以上、住宅ローン金利が上がれば、国民生活は立ちゆきません。そういう状況に至って、支持率が下がった時、いったい国力研究会のメンバーの何人が高市支持の態度を貫けますかね」
自民党丸ごと高市派。グループにはせ参じた者にとって、政権礼賛の誓いはいつか自らを縛る縄、はたまた足かせになりはしないか。
前編では、「国力研究会」発足から見て取れる麻生副総裁の「狙い」について報じている。
「週刊新潮」2026年5月21日号 掲載
