佐々木朗希から死球を受けたチェコ代表のウィリー・エスカラ【写真:荒川祐史】

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悶絶も一塁で山川から謝罪「『ごめんね』のハグが嬉しかった」

 あわや大惨事も“紳士的な振る舞い”を見せた。「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド 東京プール」で11日、野球日本代表「侍ジャパン」対チェコ共和国の一戦で、佐々木朗希投手(ロッテ)の162キロ直球がウィリー・エスカラ内野手の膝を直撃。エスカラは「当たった瞬間は骨の音かボールの音かわからなかった。本当に恐怖でした」と振り返った。

 2回1死で迎えた第1打席だった。1ボール2ストライクの5球目、佐々木が投じた162キロ直球が右膝に直撃した。エスカラは思わず転げまわり悶絶。苦悶の表情を浮かべた。試合後、「デッドボールを受けた中で最速です」と苦笑いを浮かべた。

 それでもWBCは夢の舞台。「プレーを続行したいという気持ちの方が強かった」と、ゆっくり立ち上がり、痛みを堪えて一塁へ。ファウルゾーンで全力疾走して状態を確かめると、場内からは大きな拍手が送られた。一塁では山川穂高内野手(西武)が帽子を取って謝罪。それに対し、笑顔で応じた。

「山川さんの『ごめんね』のハグが嬉しかった。走り出したときのみんなの拍手と声援だけでも、めちゃくちゃ嬉しかったです」

 当たり所が悪ければ、大怪我になりかねないが、「佐々木投手も当てる気がなかったと思う」と気遣いも。「膝はたぶん大丈夫です」と笑顔で応じ、「アリガトウ」と日本語で感謝を述べ、球場を去った。(川村虎大 / Kodai Kawamura)