オーストラリアのシェイナ・ジャック【写真:Getty Images】

写真拡大

豪代表シェイナ・ジャック、6月の検査で陽性反応も否定

 豪州水泳連盟は27日、女子400メートル自由形リレーの世界記録を持つ同国代表のシェイナ・ジャックがドーピング検査で失格になり、世界水泳(韓国・光州)を欠場していたことを発表した。自由形、バタフライの第一人者であるスウェーデン代表の最強女王サラ・ショーストロムはドーピング問題について落胆している。

 豪州水泳連盟によると、ジャックは6月26日に行われたドーピング検査で陽性反応を示し、暫定的な出場停止処分を科された。昨年4月のコモンウェルスゲームズの400メートルリレーで世界記録3分30秒05を樹立したメンバー。17年世界水泳では、同種目銀メダルに貢献するなど有力選手だった。

 自由形、バタフライの第一人者ショーストロムは、27日の女子50メートルバタフライで史上初となる3度目の金メダルを獲得。公式会見でドーピング問題について口を開いた。

「私は水泳が大好きだから、ドーピングについての話題を聞くといつも悲しくなるわ」

 ショーストロムは22日に行われた競泳女子100メートルバタフライ決勝で銀メダル。表彰式では、白血病で闘病中の池江璃花子(ルネサンス)に対し、メダリスト3人で手のひらに「Rikako」「NEVER」「GIVE UP」「Ikee」とハートを交えて記すなど、ライバルの親友にメッセージを送っていた。

「彼女のことを思っていると伝えたかったんです」と理由を明かした発案者のショーストロム。スポーツマンシップが世界中から称賛を受けるなど、クリーンな選手だけに今回の問題にはショックを受けているようだ。

検査妨害疑惑の孫楊に抗議したホートンの母国、ジャックは「絶対にしていない」

 今回の世界水泳では、昨年のドーピング検査で妨害行為をした疑惑が浮上している孫楊(中国)が、男子200&400メートル自由形で2冠。400メートルで孫楊に次ぐ銀メダルを獲得した豪州代表のマック・ホートンは、抗議の意味で表彰台に上ることを拒否し、世界中に波紋を呼ぶ騒動となった。

 豪州メディアも孫楊を非難していただけに、大会前に検査したドーピングの陽性事例が大会期間中に自国の選手から出たことで立場を失うことになる。ただし、豪州水連は暫定的に陽性反応を示した選手はさらなる調査期間中は大会出場ができないと規定があり、「本件はまだ結果が確定していない」とも強調しているという。

 ジャックは大会開幕前に「個人的な理由」として合宿地の日本から帰国。自身のインスタグラムで「大きな悲しみと心痛を伴うものです。私はこの物質を故意に摂取していません。10歳の時から水泳は私の情熱でした。そして私は私のスポーツを軽視し、キャリアを危険にさらすような意図的摂取は絶対にしていない」と故意の摂取を否定。「現在、調査を続けており、チームと私はこの物質がいつ、どのように私の体に入ったか調べるために全力を尽くしています。私のプライバシーを尊重していただければ幸いです」などとつづっている。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平/ Yohei Hamada)