家にも学校にも居場所がなくて…


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あの日、彼女に何があったのか…。

小5の夏に、親友が母親と姿を消しました。

地域の民生委員を務めているカヨコは、赤ちゃん訪問でやってきたとある家でアカネという若いママと出会います。彼女を見た瞬間に思い出したのは、小学校時代の親友・ナルミのこと。

家財道具やランドセルはそのまま、学校にはピアニカも絵の具も置いたまま、ナルミとその母だけがひっそりといなくなった…。そんな記憶が瞬時に蘇るほどアカネはナルミに似ていました。

彼女は10代の若いお母さん。親戚も友達もいない土地で初めての子育てに苦労しているように見え、カヨコは親身になってアカネを助けようとします。

「かつて自分の前から忽然と消えたナルミの心の声を自分は聞いていただろうか」

「大人になった自分は、アカネに手を差し伸べることができるだろうか」

無縁社会に落ちてしまった母と子どもを葛藤しながら見つめる、セミフィクションコミックエッセイをお送りします。

※本記事はきむら かずよ著の書籍『その叫びは聞こえていたのに 消えた母子をめぐる物語』から一部抜粋・編集しました。

登場人物


■約束

母はとても厳しい人で


母を怒らせないように


父はいつも無関心だったし


家の中はいつも…


一人になることが怖くて


明日6時半に誘いに来てな


ほんまにそんな約束したん?


約束したんやけど…


してへんって言ってるけど?


寝てるから帰ってくれる?


また怒られたら…


ちょっと待ってね


どんどん仲良くなって


学校でも…


学校での時間は…


本当に優しい時間だった


著=きむら かずよ/『その叫びは聞こえていたのに 消えた母子をめぐる物語』