スポニチ

写真拡大

 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が中谷潤人(28=M.T)を3―0の判定で破った東京ドームでの防衛戦から一夜明けた3日、横浜市内の所属ジムで会見した。

 井上尚はダウンこそ奪えなかったものの、出入りの速さとハンドスピード、主導権を渡さない試合運びで上回り、11回にはアッパーで中谷に左目付近を負傷させた。採点はジャッジ2人が116―112、1人が115―113で、いずれも井上尚を支持した。

 井上尚は「1(回)から4(回)までは、ある程度はあの距離で戦ってポイントをピックアップできたなかと感覚で、そこから少し強めに、微妙に(打っていって)、そこも何となく取れたかなと」と試合の中盤までを振り返った。その後は「陣営とも“ポイントは大丈夫”ということで、8,9,10(

回)で中谷選手もプレッシャーを強めてきたので、それは攻撃で迎え撃つんじゃなくて、少し体力を温存しながら受けに回ってポイントをピックアップできればいいと。別に自分の中では譲ってもいいかなという感覚で、そこらへんのラウンドは戦ってました」と明かした。

 中谷が序盤、カウンターを狙う戦い方をしてきたことは好都合だったか、との問いには「どうだろうな…。それはたらればになってしまうんで何とも言えないんですけど、昨日やった感覚では、僕は中谷選手のパンチでは倒れないという感覚はあったので、接近戦で来たとしてもまた違った展開で試合は流れていったと思う。そこは本当に分からないですね」と返答した。

 また、11回に右アッパーを受けた中谷が目を守るようにガードを上げたシーンに関し、「そこは攻めに利用したのか、ちょっと気持ちを抑えたのか?」と問われると、「ちょっと、少しありましたね。自分の中では。本当にこのまま叩きのめそうという気持ちが100パーセントではなかた。ちょっと複雑な感情で、初めてでした」と明かした。自身もノニト・ドネア(フィrピピン)との第1戦で右眼窩(がんか)底を骨折した経験があったからか、との質問には「そうですね。その後のリカバリーがうまかったというのもありますけど、そこで本来なら仕留めきるのが一番の理想型ではあったと思うんですけど」と答えたが、“それは甘さではないのか?”と指摘されると「甘さではないです」ときっぱり答えた。

 最終12回には残り1分で場内のモニターをチラリと見る場面もあった。井上尚は「あと何秒あるか確認しただけです。時間次第でどうしようかなと。もうラストだし」と説明し、「陣営からの声と自分の気持ちを合わせないといけないんで。そのままでいいという指示であればそのままでいくのが正しいと思うし、ゴーサイン、行け行けというアドバイスがあれば行ってたと思うし、その中であと何秒あるかなという気持ちです」とその瞬間の心境を口にした。