道路陥没原因の4割「排水施設」、国交省が点検基準創設へ…多くは敷設50年以上・一度も点検していない所も
全国で年間約1万件起きている道路陥没を防ぐため、国土交通省は発生原因の4割を占める水路や側溝などの「道路排水施設」の点検基準を新たに設ける方針を固めた。
内部点検が一度も行われていない施設も多いとみられ、同省は維持管理の方法や点検の頻度などを定め、陥没の発生防止につなげる。
同省によると、2020〜24年度の5年間に全国の道路で起きた陥没計5万1713件のうち、道路排水施設が原因の陥没は最多の1万9160件(37%)に上り、下水道(14%)、河川施設(5%)、上水道(2%)を上回っている。25年1月に起きた埼玉県八潮市の道路陥没事故は、下水道管の破損が原因だった。
道路排水施設の中でも大規模な陥没が起きやすいのが、管路が最大で直径数メートルあり、道路下を横切るように走る「横断水路」。直轄国道だけでも約7万6000か所ある。多くは敷設から50年以上たっているとみられ、経年劣化が懸念されている。
千葉県市原市の国道16号では24年9月、幅15メートル、深さ85センチの陥没が発生。国交省千葉国道事務所によると、地下1・2メートルにある敷設約60年の鋼鉄製の横断水路(直径4メートル)の上部が破損したのが原因とみられる。同事務所は2日に1回の頻度で車上から路面状況を巡視していたが、水路内は一度も点検していなかったという。
国交省は、直轄国道の橋・トンネルの点検や補修のあり方などを示した「維持管理基準」を改定し、道路排水施設に関する項目を新たに設ける方針。〈1〉災害時に緊急車両が通行する「緊急輸送道路」下の横断水路は定期的に点検〈2〉道路下の空洞の有無を調べる「路面下空洞調査」や車上巡視で異常があれば周辺を確認〈3〉陥没発生時は近隣の道路排水施設を調査――などを盛り込む。内部の点検は、近接目視やAI(人工知能)などの最新技術の活用を原則とする。基準は今秋にも公表し、自治体にも活用を促す。
◆道路排水施設=雨水などを河川や海、下水道へ流すための施設。道路の冠水や住宅への浸水を防ぐのが目的で、路面下を横切る「横断水路」、道路脇の「側溝」、複数の側溝の合流地点で汚泥やごみを集める「集水ます」などがある。
