地震などの災害時に断水すると問題になるのが口の中のケアです。能登半島地震でも被災地の歯医者が休診したことで、治療が受けられない課題が浮き彫りとなりました。こうした事態を防ごうと、どこでも治療が可能な「巡回診療車」が県内に初めて導入されました。

16日県庁でお披露目された歯科巡回診療車「ハミルン」は、石川県歯科医師会が県から4500万円の補助金を受け導入しました。

久々江龍飛フィールドキャスター「診療車の中に入ると、普段歯科医院に置かれているものと同じチェアが一台置かれています」

診療車には、給水設備や発電機が搭載されていて、停電や断水にも対応し、治療器具を滅菌する装置も設置され、この一台で診療機能を完結できます。

持ち運び可能のレントゲン装置も

中には持ち運びができるレントゲン装置も。

県歯科医師会・宮田英利理事「これがX線のフィルムに代わるものセンサーです。今この機械とつながっているが、これを口の中に入れて、X線を撮影すると、この画面に、口の中の歯の状態が映る。歯医者さんと同じような撮影ができる」

診療車を導入するきっかけとなったのは2024年の能登半島地震でした。

珠洲市では、市内にあった5つの歯科医院がすべて休診し、歯科医療体制が崩壊しました。

県歯科医師会・宮田英利理事「特に避難所にいる人は、水が出ないことで入れ歯のケアができない、そして歯磨きができない人が大変たくさんいたので、そういった意味でも、口の健康を守ることは大変大事なこと」

導入のきっかけは、被災地で活躍した福井県の巡回診療車

口内環境の悪化から、誤えん性肺炎などを発症し、最悪のケースでは死に至るリスクも。

そんな中、被災地で活躍したのが、福井県から派遣された巡回診療車でした。

受診した人「治してもらってほんとうに助かった。安心した」

珠洲市の道の駅「すずなり」で2024年2月からの3か月近くでのべ971人の診察に当たりました。

石川県歯科医師会・飯利邦洋会長「へき地医療や歯科医療体制が乏しいところに派遣をして歯科医療提供していきたい」

巡回診療車は今後、災害時に被災地に派遣されるほか、ふだんは過疎地や福祉施設での健診に活用されます。