ジャッジは今季も一発を量産か(C)ロイター/Imagn Images

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【メジャーリーグ通信】

【友成氏コラム】佐々木朗希が開幕ローテ入りした深層…ドジャースはOP戦の成績を重視しない球団の代表格

 今季開幕からABS(自動ボール・ストライク判定機)を使ったチャレンジ制度がスタートした。この制度で得をする者と損をする者を項目別に列挙すると以下のようになる。

■打者の体形

 これまでMLBのストライクゾーンは「下限が膝頭の下部、上限が肩とズボンの上端の中間点」と個々の打者の体の部位の高さに合わせて設定されていたが、ABSでは正確に計測された各選手の身長の下から27%のところをストライクゾーンの下限、53.5%のところを上限にするため、長身で脚の長い体形の打者が得をし、小柄で胴長短足体形の打者が損をすることになった。MLBの試算では身長168センチで胴長短足体形のアルトゥーベ(アストロズ)はストライクゾーンのタテの幅が43.2センチとなり、従来より若干広く損をするが、身長201センチで脚の長いジャッジ(ヤンキース)はタテの幅が53.3センチと従来よりかなり狭くなるので得をする。これを日本人打者に置き換えると小柄で胴長な吉田正尚(レッドソックス)は損をするが、長身で脚の長い大谷翔平(ドジャース)は得をすることになる。

■審判

 ABSがスタートしたのに伴い、全審判のチャレンジを受けた回数と誤審率がデータとして公表されることになった。大方の予想は「誤審王」として知られるC・B・バックナー審判が序盤から誤審率のワーストを独走するとみていたが、4月10日時点のデータを見るとバックナー審判は70%台で第2グループ。ワーストはストライクゾーンが広くなる傾向があるアンディ・フレッチャー審判とチャド・ウィットソン審判の争いになっている。

■捕手

 ABSの導入で一番損をしているのはフレーミングの名手と見なされてきた捕手たちだ。フレーミングとはストライクゾーンから少し外れた投球をミットを巧みに動かして球審に「ストライク」とコールさせる技術だが、ABS導入後は、巧みなミット操作でボール球をストライクと判定させても、すかさず打者がヘルメットをコンコンと叩く(チャレンジ要求の合図)ので、フレーミングの名手たちは妙技を発揮しづらくなった。

 4月10日時点で捕手のチャレンジ成功数が一番多いのはローガン・オホッピー(エンゼルス)、アグスチン・ラミレス(マーリンズ)の10回だ。この2人は守備力の低い捕手の代表格である。そのような評判のある若い捕手に対しては球審のコールが厳しくなるので、捕手からチャレンジ要求が出るケースが多くなるのだ。

(友成那智/スポーツライター)