加藤紗里としげるちゃん

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『しげログ』は商品プロデューサーとして活躍し、海外のファッション・流行などをナビゲートしているしげるちゃんが毎回「会いたい人」と「好きなお店」で対談! ゲストの“素”を引き出しちゃいます。第12回目のゲストはタレントの加藤紗里さん。“炎上クイーン”の知られざる素顔に迫ります……!

【写真】神妙な面持ちでインタビューに答える加藤紗里

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加藤紗里(以下/紗里)「よろしくお願いします。加藤紗里です」

しげるちゃん(以下/しげる)「はじめまして、ですよね。紗里ちゃんって呼んでいい?」

紗里「はい(笑)」

しげる「じゃあ早速! 紗里ちゃんって広島生まれだよね。高校卒業ぐらいまではずっと広島にいたわけでしょ。そのころの話を聞きたいなと思うんですけど、どんな女の子だったのかな」

紗里「生まれは結構その……家庭環境とかが“お嬢様”だったんです。すごい大事にされて育ちました。お姉ちゃんが一人いて、習い事はピアノ、バレエ、お琴、三味線、日本舞踊、お茶、お花。もう、すごい厳しかったんですよ、家が(笑)」

しげる「すごく厳格な家庭で育ってきたんだね」

紗里「はい。で、親はお嬢様学校っていわれている私立の名門に“絶対に通わせたい”っていうので。中高一貫の女子校にお受験させられたんですけど。家庭教師と塾の両方掛け持ちで。で、それは自分としては嫌だったんですよ。どっちかっていうと地元の共学の国立に行きたかったし、ヤンキーとかに憧れていたんです」

しげる「えっ! 何歳からヤンキーに憧れてたの?(笑)」

紗里「小学生のころから。(髪の毛を)金に染めたいし、ピアスも開けたいし、っていう衝動がすごいあったんで。でも親の影響で女子校に行った、って感じです。そのまま大学も良いところに行くってなってたんですけど、“もう家出してやる”と思って、高校卒業と同時に(笑)」

しげる「家出までしちゃうって、学生のころから普段の生活のなかで、締め付け
がひどくて重圧を感じるみたいな感情を日々、持ってたんだね?」

紗里「はい。だから私も娘が生まれて思うんですけど、“私の娘、良い学校に通ってるんですよ”みたいな親のエゴって絶対嫌だなっていうか。嫌ではないんですけど、しないほうがいいなって思うので。娘が“公立がいい”っていうなら公立行けば良いと思いますし私は。自分が嫌だったので」

しげる「うーん……しげるも中学から受験をしたけど、自分から望んだ受験なので逆に
親には感謝しかない。けど、大人になって地元で一緒に遊ぶ友達がいないのはちょっと
寂しくは感じるかなぁ。地元じゃない友達は沢山できたけどネッ。子どものころに親から締め付けられたりすると反発しちゃう子ども心は分かるけど、『確かに正しかったかも』と今なら分かる、親の言葉もあったりするな」

紗里「ウンウン!」

しげる「じゃあ芸能界とかへの憧れはなかったわけだ」

紗里「まったく! 芸能界に入ったきっかけはあくまで、引っ張り出されたって感じです。狩野英孝の件で。それまでは上野動物園で働いていました。上京して動物の専門学校へ通っていたんですよ。トリマーと、愛玩動物救命士と、ドッグトレーナーの資格を取って。

 なのに狩野英孝のことでマスコミがめっちゃ来て1人じゃ対応できなくなって。それで事務所に入ったんです。事務所に入った後なら“売名”っていわれても良かったんですけど、芸能界にいなかったのに“売名”って叩かれたのはさすがにムカつきましたよね(笑)」

“俺が描いた台本通りの加藤紗里を演じていけ”

しげる「そんなつもりが全くなくて、世間に担ぎ上げられた上に“売名”って言われて炎上するなんて経験、心がついていけなかったでしょ? 当時は何歳だった?」

紗里「25歳ですね。事務所に入らざるを得ない状況になったんです。その後、いくつかの事務所に所属しているんですけど、ある事務所の社長が“25年間生きてきた今までの加藤紗里は、俺が生ゴミに捨てて火をつけて燃やしてやった。だから、これからは俺が書いた台本通りの加藤紗里を演じていけ”って。そして、この炎上クイーンの加藤紗里が出来上がりました」

しげる「まるで昔の『大映ドラマ』みたいな展開だね。炎上し続ける状態が本来の自分と違うとき、どうやって本心と折り合いをつけてたの?」

紗里「う〜ん。今はもう普段の加藤紗里と、タレントの加藤紗里は別物と考えられてますね」

しげる「混ざったりはしないんだ?」

紗里「するんで、常に精神安定剤を飲んでいます。やっぱりパニック障害が起こっちゃう。25歳の頃からそれが続いているんで、狩野英孝にはもう恨みしかないです(笑)。だって今まで平和に生きてきたんだから。“売名”っていわれる意味がわからない!」

しげる「パニック障害まで発症しちゃうなら芸能界にいなくていい! カラダを大切にしなくちゃ。そもそも、紗里ちゃんは恋愛に対してどういう感覚をもっていた? 以前『恋愛で相手に求めるのはお金』って紗里ちゃんが言っていた記事を見た事があるんだけど、それは本心? いつごろからそう思っていた?」

紗里「う〜ん難しいな。でもお金って必要じゃないですか、絶対的に」

しげる「結婚生活には、現実的にお金が必要! ただ“恋愛”に関しては考えた事なかった(笑)」

紗里「生活もそうだけれど、お金があったら心が豊かになるって面もあるじゃないですか。余裕ができるから。あとそれも魅力だと思うんですよ。お金を稼げる能力があるって」

しげる「でも、相手だけじゃなく、加藤紗里自身にだって、稼げる能力はあるじゃない? 全然あるよ!」

紗里「そうですか……ありがとうございます。でも自分が稼いでるより稼いでくれないと嫌ですね。尊敬ができないんで。自分よりお金が稼げるイコール自分より仕事ができるっていう尊敬。ただしお金持ちでも、私にお金を使ってくれない人は私にとって“お金持ち”ではない。億万長者じゃなくても1000万円のうち100万円でも私に使ってくれたら“お金持ち”です。まぁ世間的にいえば、“お金に恋してる”と同義になるかもしれませんけど(笑)」

シングルマザーのシェアハウス

しげる「なるほど、それが紗里ちゃんの考え方なんだね! ところで今、紗里ちゃんはシングルマザーだよね? シンママたちの為のシェアハウスを始めたって話しを聞いていたんだけど、それは現在どうなってるの?」

紗里「面接をしていっています。動画のミーティングアプリで」

しげる「そのシェアハウスは、いわゆる一軒家的なもの? それともマンションの中で例えば四部屋あって……とかそういう感じ?」

紗里「一応プライベートで別々の部屋はあるんですけど、みんなが一つの家族として暮らす、みたいな。リビングは一つ、というイメージです」

しげる「それを始めようと思ったきっかけも聞いていいかな」

紗里「そうですね。一年前は私も、シングルマザーになるなんて思ってもいませんでした。でも離婚して。当事者になると、シングルマザーたちの悲しいニュースが耳に入ってくるようになったんです。当時は子どもを(過失や虐待で)亡くしてしまった彼女たちのことを“最低な母親じゃん”と思っていました。でも間違っていた。例えば、好きになった男性が“子どもと一緒じゃ嫌だ”といったとするじゃないですか」

しげる「うんうん」

紗里「シンママとしては“この人を失ったら結婚できないかも”みたいになっちゃう人も大勢いるんだろうなと。そう思うと辛くなった。子どもと女性は男性からしてみれば所詮(しょせん)“弱者”な側面がある。そう思った時に“わああ”となり、見返すために起こしたのがこのシェアハウスプランだったんです」

しげる「それは実体験があるからかな」

紗里「はい。やっぱり、いくら紗里のこと大事だっていってくれても、娘がいたら会いたがらない人もいたんです。その時に“あなたみたいな男がいるから、こういう風にシングルマザーは弱者だって見られるんだ”、“お金ないだろうなって見られているんだ”って思ったんです。見返す……というのは、そういった風潮や男社会に対して、ってニュアンスです」

しげる「特にいま、コロナでシングルマザーの方達への負担は半端ないと思うのよ、紗里ちゃんみたいな個人やNPOだけじゃなくて、国ももっと素早く、伝わりやすい対策をして欲しいよね。既に場所は決まっているの?」

紗里「決まってます」

しげる「そっか、これからの展開が楽しみだね、がんばってね。」

(後編に続く)