ごま・オス。北氏の愛猫
 日本列島に空前の「猫ブーム」が到来している。 なぜ猫は人間に癒やしを与えるのか? 真面目に考察してみた。

◆いつのまにか猫派が犬派を逆転、空前のブームに

 ’16年に関西大学の宮本勝浩名誉教授が、猫ブームがもたらす経済効果を「ネコノミクス」と定義し試算したところ、その額がなんと2兆3162億円にも上ったことで、「猫ブーム」に一気に注目が集まった。

 加えて、これまでずっと犬の後塵(こうじん)を拝してきた国内の飼育頭数も、’17年にとうとう逆転したのだ。今や猫こそが「日本で最も飼われているペット」であり、それゆえ「男女問わず誰でも猫好きを公言しても恥ずかしくない状況」がついに実現したと言えるだろう。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究員で、本業と並行して猫のエコノミスト、通称「ネコノミスト」としても活動する北洋祐氏が語る。

「グラフを見てもわかるとおり、徐々に飼育頭数が減っている犬に比べて、猫は5年前からほぼ横ばい、または微増というかたちです。日本の少子高齢化傾向を鑑みれば、頭数は大きく増えなくても社会の中での“存在感”は増してきていると考えられます。宮本教授の試算は、実際の飼育に必要なペットフードなどの関連産業の経済効果も含めたもの。無関係とは言いませんが、むしろ、ペット産業の“外側”の盛り上がりこそが猫ブームの本質だと考えます」

 確かにここ数年、巷には猫に関連するコンテンツがあふれている。書店には猫の写真集が並び、猫と触れ合える「猫カフェ」には多くの人が集い、ツイッターやインスタグラムなどのSNSにはプリティな「愛猫写真」を飼い主たちがアップしている。

「’07年にはニコニコ動画から火がついた“ねこ鍋動画”も話題になりましたが、ネットやSNSとの親和性の高さが、ここ数年の猫への注目度の高まりを後押ししているのではないでしょうか」

 私たちがなぜこんなにも猫に惹かれるのかを、このシリーズでは徹底的に検証していく。
(※vol.2以降は後日配信予定)

【北洋祐氏】
三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員。大手シンクタンク「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」で中小企業政策研究などに従事。愛猫は元野良猫の「シンスケ」と、保護団体から譲り受けた「ごま」

―検証「猫はなぜ可愛いのか?」―