By Pixabay

アメリカの大手フード注文・宅配仲介サービス企業「グラブハブ」が自社と提携するレストランの名称のウェブドメインを2万3000件以上も無断で登録するだけでなく、偽の公式ウェブサイトも作り上げ、自社の利益に誘導していたことが判明しました。また、同社は電話仲介料の水増し請求も行っていたことが明らかになっています。

City Council to investigate Grubhub's restaurant-killing fees

https://nypost.com/2019/06/09/city-council-to-investigate-grubhubs-restaurant-killing-fees/

GrubHub is buying up thousands of restaurant web addresses. That means Mom and Pop can't own their slice of the internet | New Food Economy

https://newfoodeconomy.org/grubhub-domain-purchases-thousands-shadow-sites/

今回問題となったグラブハブの手口とは、実在するレストランの公式サイトに類似したドメインを取得し、さらに「偽の公式ウェブサイト」を無断で作成するというものです。報告されたケースでは、偽サイトには本物の公式サイトの写真や、同業他社であるCaviarの写真が無断で使用されており、グラブハブのプラットフォームにリンクされた「今すぐ注文」のボタンや、グラブハブの窓口につながる電話番号などが掲載されていました。

以下の画像の左側がグラブハブが作成した偽サイト、右側が本物の公式サイト。グラブハブ製の偽サイトは2つとも、シンプルなテンプレートに店名と画像を当てはめただけのデザインです。





New Food Economyの調査によると、グラブハブが取得したドメインは2万3000件以上にも上り、そのほとんどが実在のレストランに似たドメインとなっています。New Food Economyはこの調査結果をGoogleドキュメントで公開しています。

GrubHub Domains



本来、グラブハブを経由してデリバリーサービスを利用すると、契約内容などに応じて3%から15%までの手数料がグラブハブに計上される仕組みとなっていました。しかしNew Food Economyによると、グラブハブの偽サイトを経由すると、手数料がさらに20%も上乗せされて請求されるようになっていたとのこと。

グラブハブはNew Food Economyの取材に対して、「グラブハブは提携するレストランに対するサービスの一環として、ブランド力を高めるため、ウェブサイトを作成・公開しています。似たようなドメイン名を取得するというのは契約にも記載されているように、あくまでレストランの『代理』としての行為です。レストラン側が要求した場合、すぐにでもドメイン名の引き渡しは可能となっています」と回答しています。



by Zeke Franco

さらに、同社は問い合わせ料金としてレストラン側に不当な請求を行っていたことも発覚しています。ニューヨークポストによると、グラブハブの電話番号に電話をした場合、注文をしていない場合にもレストラン側に5ドルから9ドルの請求が行われていたとのこと。一部のレストランはこの件で訴訟をすでに開始していますが、大規模な集団訴訟につながる可能性があります。

ニューヨーク市議会は2019年6月27日にグラブハブの幹部に対して公聴会を実施。グラブハブだけでなく、同業のドアダッシュやUber Eatsなどの業務内容も調査される可能性があり、レストラン注文・宅配仲介サービスなどを制限する法案につながる可能性もあるとのこと。

なお、グラブハブ幹部は公聴会において、グラブハブが2018年の電話手数料だけで3000万ドル(約33億円)を回収したと証言しているとのことです。