評判が上がる、査定が上がる「資格&検定」ベスト11
資格に頼るのではなく、資格取得で身につけた知識を武器にして、自分の価値を高めたい。
今、日本で何らかの資格・検定に挑戦する人は年間1000万人を超える。国民の10人に1人の割合だ。先行き不透明な時代、資格があれば安心だし収入増も見込めるといった考えからだろう。
「しかし、現実はそう甘くありません」と語るのは資格コンサルタントの末木紳也氏だ。
「たとえば最難関の司法試験や公認会計士試験。勉強だけに集中しても、合格までは数年以上かかりますし、それで合格できる保証もない。大きなリスクを負って資格を取得しても、今は競争が激しくて高収入を得ている人はわずかなのです」。“独立して稼げるおいしい資格はありませんか”という取材をよく受けるそうだが、「そんな資格はない」と末木氏は言い切る。
「資格はむしろ自分自身のスキルアップととらえたほうがいいでしょう。ビジネスで必要な資格や検定を取得した人は、どんな仕事にも対応できる。漫然と会社員生活を送っている人とは社内の査定でも明確な差がつきます」
今、自分がいる職場で身につけた専門知識を仕事に活かし、上を目指すほうが現実的というわけだ。その結果、評価が高まればヘッドハンティングで他社へ好条件で移る道も開けるだろう。つまり、資格・検定はビジネスマンとしてのキャリアを積み重ねていく若い時期に取っておくべきなのだ。末木氏がまず取得を勧めるのはベーシックな資格だ。
「日商簿記、ビジネス実務法務、宅地建物取引主任者、販売士、知的財産管理技能士、ITパスポートの6つ。このレベルの資格を持っていれば、どの部署でもまず困ることはありません」
また、併せて社会人としての常識力を高める検定の合格も評価につながる。TOEIC、ビジネス実務マナー検定、日本語検定、日本漢字能力検定の4つで、TOEIC以外はいずれも2級レベル以上を目指したいところだ。
その年代を過ぎ、40代にさしかかった人でも取得する価値があるのは中小企業診断士だという。
「最低でも1年程度の勉強が必要な難関資格ですが、マーケティングやマネジメントなど学ぶ領域が幅広く、ビジネスの総合力が身につきます。経営コンサルタントとして独立する際、必要といわれますが、これも営業力や自分を売り込むバイタリティが必要で、この資格自体で稼げるわけではありません。経営を含め、さまざまなビジネスシーンに対応できるので会社からは何かと頼りにされる。今勤めている会社で役員クラスを目指す人には取得をお勧めします」
■40代で取得を狙うなら総合的な視野が養える「中小企業診断士」
●中小企業診断士
<合格率約24%/国家資格/難易度★★★★☆>
試験は1次と2次があり、1次試験は7科目。(1)経済学・経済政策、(2)財務・会計、(3)企業経営理論、(4)運営管理、(5)経営法務、(6)経営情報システム、(7)中小企業の経営・政策の知識を筆記により判定。2次は実務的な筆記と口述による試験。独学での合格は難しく資格スクールに通うのが一般的。
試験科目が示すように会社経営全般の知識が身につく資格。経営コンサルタントとして独立し成功すれば高額収入も夢ではない。だが、多くは企業や役所、企業内診断士として活躍するなど、その知識を活かす仕事をしているのが現状だ。
■30代までに取得したいベーシックな「6つの資格」
●日商簿記検定
<合格率25〜35%(2級)/日本商工会議所/難易度★★☆☆☆>
営利事業の帳簿の記帳知識が問われる資格。会社の経営状況が数字から読み取れるので、経理担当者でなくても取得しておいて損はない。1級から4級まであり通常は3級から取得を目指す。知識ゼロからの場合、2級取得まで半年以上の勉強が必要。
●宅地建物取引主任者
<合格率約16%/国家資格/難易度★★★☆☆>
通称「宅建」は不動産取引における法的知識を証明する資格。権利・義務、契約など基本的な法律知識が身につくことから、不動産とは関係ない分野のビジネスにも有効。試験は4択だが、幅広い法知識が問われるため最低でも500時間の勉強が必要だ。
●ITパスポート
<合格率約50%/国家資格/難易度★★☆☆☆>
社会のIT化に伴い2009年に開始された新しい資格試験。ITに関する基礎的な知識が証明できる。試験は経営全般、IT管理、IT技術の3分野から出題されるが、マークシートの4択問題のため、しっかり勉強すれば短期間での合格も可能だ。
●ビジネス実務法務検定
<合格率約40%(2級)/東京商工会議所/難易度★★☆☆☆>
ビジネスでの法令順守、トラブルが起きたとき、対処するための法律知識を問う、自己責任によるリスク管理が企業に求められる今、重要性が高まっている。検定は3級から順にクリアしていく。3級・2級は比較的簡単で、それぞれ標準学習期間は3カ月ほどだ。
●販売士
<合格率約55%(2級)/日本商工会議所/難易度★★☆☆☆>
小売業における販売、在庫管理、マーケティングなどの知識・技術を証明する資格。ビジネスの基本であり、勉強しておくと必ず役に立つ。3級・2級は合格率も高く、300時間程度の勉強で取得できるが、1級は難関。最低でも2級は取っておきたい。
●知的財産管理技能士
<合格率約38%(2級)/国家資格/難易度★★☆☆☆>
企業・団体の知的財産(発明、商標、著作権など)の保護・活用などの知識や実務能力に関する資格。略称はIP技能士。3級から順にクリアしていく規定がある。3級は簡単に取得できるが、2級になると最低数百時間の勉強が必要といわれている。
■社会人としての常識力を高める「4つの検定」
●日本語検定
<合格率約16%(2級)/日本語検定委員会/難易度★★☆☆☆>
語彙、文法、表記、敬語、漢字、言葉の意味の6領域から出題。日本語の総合力を測る。文書作成、電話応対などあらゆるビジネスシーンで必要な常識が身につく。社会人としては2級以上をクリアしたい。
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【年上の友人への手紙の中で】
ご子息が第一志望の大学に合格されたとのこと、( )に存じます。
(1)鄭重(2)敬重(3)重宝(4)重畳
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●日本語漢字能力検定
<合格率約25%(2級)/日本漢字能力検定協会/難易度★★☆☆☆>
10級から1級まで12の級があるが、準1級、1級はマニアックな領域で社会人が目指すのは2級レベルで十分。合格までに要する勉強時間の目安は3級で100時間、2級で200時間程度といわれている。
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1. 大言( )2. 白砂( )3. 外柔( )4. 高論( )5. 初志( )
[かんてつ/せいしょう/そうご/たくせつ/ないごう]
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●ビジネス実務マナー検定
<合格率約60%(2級)/実務技能検定協会/難易度★★☆☆☆>
ビジネス上必要とされるマナーに関する知識を問う。マナーは仕事の成否にも結びつくため、取得しておくと当然有利だ。3級・2級は4択問題で合格率も高いが、勉強しておかないと合格は難しい。
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(1)上司である係長とKの間の行き違いなのだから、部下としては黙ってしかられておくのがよい。
(2)不当だと思う気持ちは理解できるが、終わったことでもあるし、このことは蒸し返さない方がよい。
(3)係長の指示をきちんと確認しなかったKにも反省すべき点はあるのだから、何も言わずにおくのがよい。
(4)係長がそれを聞いてどうするかに関係なく、係長に、納期の間違いで課長からしかられたと話しておくのがよい。
(5)今後もこのようなことが起こり得るから、しばらくたってから、係長の指示の仕方が原因だったことを課長に言っておくのがよい。
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●TOEIC
<レベルC(470〜730点)/国際ビジネスコミュニケーション協会/難易度★★★☆☆>
合否はなく、リスニングとライティングの試験を受け、点数(スコア)によってレベル分けされる。大学卒業者の標準がレベルD(220〜 470点)なので、ビジネスで英語を使うならレベルCをクリアしたい。
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( ) is no better season than winter to begin training at Silver's Fitness Center.
(A)When(B)it(C)There(D)As it
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※回答
<例題A>(4)
<例題B>1. 壮語/2. 青松/3. 内剛/4. 卓説/5. 貫徹
<例題C>(5)
指示をする方とされた方の行き違いのようなことは今後も起こり得ること。が、係長の指示の仕方に原因があるとはいえ、Kもかかわっていたことなのにそれを問題とせず、しばらくたったら係長の指示の仕方が原因だと課長に言っておくように言うなどは不適当ということである。
<例題D>(C)
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立教大学社会学部卒。資格コンサルタント・中小企業診断士。著書『プロが教える資格のリアル』(KKベストブック)等多数。高橋書店『資格取り方選び方全ガイド2015年版』巻頭監修、メールマガジン「間違いだらけの資格取得術」を配信中。
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(相澤光一=文)
