”ドカ食い気絶”快感のウラで《超悪玉物質》が本気を出したら…医者も青ざめる「アルデヒドスパーク」はこんなに怖い
「これまで老化の原因としてよく知られていたのは、細胞を傷つけてしまう『活性酸素』と『糖化』でした。しかし、それらを上回るスピードと破壊力で細胞を傷つけて機能を低下させる『超悪玉物質』があります。
残念なことに、私たちは生命の維持に欠かせない食事をするたびに、たとえ低糖質や野菜を積極的に摂る食生活を心がけていても、その超悪玉物質を発生させて、老化への道を歩んでしまうのです」
そんな衝撃的な話をするのは、『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識』の著者で、同志社大学糖化ストレス研究センター客員教授の八木雅之氏である。
食事をするたびに発生してしまう「超悪玉物質」とは一体何なのか――。
一瞬で散る火花のように…「それ」は発生する
「食後に血糖値が急上昇して下降する現象を血糖値スパイクと呼ぶことはご存じかもしれません。その状態にあるとき、体内毒素『アルデヒド』も出てくることがわかってきたのです。
これまでは糖質が体内のたんぱく質と結びつく『糖化』により、老化物質『AGEs』が出てくることで老化現象を招くとされてきました。しかし、アルデヒドが血管の内側の細胞に直接ダメージを与えて死に至らせることがわかってきた。老化を防ぐには、アルデヒドの発生を抑えなければならないのです」(八木氏)
アルデヒドが糖化を加速させ、AGEsを生成する引き金となると初めて示されたのは'15年のこと。そこから研究は進んでいるものの、その全貌は未解明という。アルデヒドの種類は数多く、二日酔いをもたらす毒性物質「アセトアルデヒド」や、タバコの煙に含まれる「ホルムアルデヒド」もその一種である。
「食後に血糖値が急上昇すると、それに伴ってアルデヒドも急激に増加します。まるで一瞬で散る火花のように、体内でアルデヒドが急速に発生するので、私たちはその現象をアルデヒドスパークと名付けました。これこそが糖化を加速させる本当の原因なんです」(八木氏)
そこで必然的に、アルデヒドスパークを防ぐことが老化予防の最善策となる。
食べ方の「黄金トリオ」で老化を防ぐ
八木氏は様々な食材を用いて実験を行った結果、食べ方を工夫すれば効果が見込めることに気づいた。そして、次の「老けない食べ方」の公式に辿り着いたのである。
たんぱく質×脂質×酸
この「黄金トリオ」を1食の中に揃えれば、血糖値の急上昇とアルデヒドスパークを抑えられるというのだ。
「たんぱく質と脂質は胃の中にとどまりやすく、糖の消化・吸収のスピードを緩やかにしてくれます。また、酢や柑橘類に含まれる酸は、食べ物が胃から小腸へ移るのを遅らせるので、糖の吸収をさらに緩やかにする。
主食の炭水化物を食べるとき、これら3つをうまく組み合わせることで、食後の血糖値上昇を抑えられます。特定の食材を制限することではなく、食材をどう組み合わせるかが大切なのです」
黄金トリオの例を具体的に見ていこう。
食パンは、単にバターを塗って食べるのではなく、茹で卵やチーズなどのたんぱく質、トマトなどの酸が摂れるサンドイッチにするとよい。
「果汁100%のグレープフルーツジュースも一緒に飲むことをおすすめします。私たちの研究では、グレープフルーツには食後の血糖値の上昇を抑える作用があることがわかりました」(八木氏)
「唐揚げにレモンをしぼる」は大正解
また、脂質が多く身体に悪い食べ物とされがちな唐揚げには、レモン果汁を絞ることでクエン酸が組み合わされ、アルデヒドスパークを抑えられるという。
実際、八木氏の実験では、白米+ふりかけを食べた場合よりも、白米+ふりかけ+唐揚げ4個を食べたほうが、血糖値の上がり幅は半分以下に抑えられ、アルデヒドスパークを起こしにくくなった(糖質量は双方とも同じ)。唐揚げを食べるとき、一緒に酸を摂れるという点では、レモンサワーを飲むのも一定の効果がある。ただし、飲み過ぎにはくれぐれも注意したい。
単品で食べるだけでは食後の血糖値が上がりやすいうどんは、海老や鶏肉の天ぷらと胡麻ドレサラダを合わせると良い。
「野菜を食べるときの決め手は、実はドレッシングにあるんです。既存の実験では、ノンオイルドレッシングではあまり血糖値が下がりませんでしたが、胡麻ドレには黄金トリオが含まれるため、食後の血糖値上昇を抑える効果が高かったのです」(八木氏)
寿司とともに酢の効いたガリを食べる、餃子を酢醬油につけて食べるなど、ポピュラーな「老けない食べ方」の例も多い。だが、忘れがちなのは酸だ。1回の食事で酢(酢酸)なら10〜20g、レモン果汁(クエン酸)なら30〜35gほど、ヨーグルト(乳酸)なら、100〜200gを意識して摂取するのが良いという。
【後編記事】春ダイエットを諦めない…いまが旬【七つの食材】を徹底解説「アスパラガスは炒めNG」「初ガツオはなめろうで」へつづく。
「週刊現代」2026年4月27日号より
【つづきを読む】春ダイエットを諦めない…いまが旬【七つの食材】を徹底解説「アスパラガスは炒めNG」「初ガツオはなめろうで」
