はがきに隠したBluetoothトラッカーでオランダ軍艦の位置が24時間追跡可能になっていた

オランダ海軍のフリゲート艦「エヴァーツェン」に対し、郵便物にBluetoothトラッカーを仕込むことで、約24時間にわたって位置情報が追跡を行う事ができたとオランダの放送局「ヘルダーラント放送」が報告しました。
Marineschip van 500 miljoen euro gevonden met gadget van 5 euro - Omroep Gelderland
https://www.gld.nl/nieuws/8463135/marineschip-van-500-miljoen-euro-gevonden-met-gadget-van-5-euro

Dutch navy frigate tracked by mailing it a Bluetooth tracker • The Register
https://www.theregister.com/2026/04/17/dutch_navy_frigate_tracked/
Bluetooth tracker hidden in a postcard and mailed to a warship exposed its location - $5 gadget put a $585 million Dutch ship at risk for 24 hours | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/cyber-security/bluetooth-tracker-hidden-in-a-postcard-and-mailed-to-a-warship-exposed-its-location-a-eur5-gadget-put-a-eur500-million-dutch-ship-at-risk-for-24-hours
オランダ国防省は、兵士たちが故郷と連絡を取り合えるよう独自の郵便システムを構築しており、「どのように郵便を出せば兵士へ届くのか」という送り方の情報をオンラインで公開しています。ヘルダーラント放送は潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性を探るため、1000円程度のBluetoothトラッカーを購入し、郵便でエヴァーツェンへ送りました。
もちろん、国防省は禁制品や危険物の輸送を防ぐため、郵送される小包をすべてX線スキャナーでチェックしています。しかし、はがきはX線スキャナーを通らない仕組みになっていたとのこと。ヘルダーラント放送はBluetoothトラッカーをはがきに埋め込んで送り出すことでトラッカーを検出されずにエヴァーツェンへ送付できました。
Bluetoothトラッカーの経路はオンラインで確認でき、ヘルダーラント放送によると仕分けセンターからデン・ヘルダーにある海軍基地を経由してアイントホーフェン空港へ移動。続いてクレタ島のイラクリオン港へ輸送され、イラクリオン港に停泊していたエヴァーツェンへ運び込まれました。

Map data from OpenStreetMap
エヴァーツェンがイラクリオン港に停泊していることは港のライブカメラで公開されていましたが、出港した後の位置情報は任務の都合上極秘事項とされていました。しかし、Bluetoothトラッカーのおかげでヘルダーラント放送は追跡を続けられ、エヴァーツェンがクレタ島の海岸沿いを西へ航行し、その後キプロスがある東へ進路を変更したことが確認できたとのこと。
約24時間後、エヴァーツェンがキプロス付近に到着したタイミングでBluetoothトラッカーがオフラインになりました。国防省によると、出港後の郵便物の仕分け作業中にトラッカーが発見されたとのこと。エヴァーツェンは海上での追跡が可能だったものの、作戦上のリスクにはならなかったと発表されています。
すでに郵便システムの見直しが行われており、エヴァーツェンに電池入りのはがきを送付することはできなくなっています。また、軍事郵便に関するガイドラインの見直しも予定されています。一方、郵便物の送り方についての情報は引き続き公開されるとのこと。
元海軍中将のデ・クルイフ氏は「現代では遠隔操作で高精度にターゲットを攻撃できるものの、攻撃にはターゲットの位置情報が必要だ。だからフリゲート艦としては決して自分の位置を他人に明かしたくないものだ」と位置情報の重要性について語りました。
なお、軍艦の位置情報が漏れる事故はたびたび発生しており、2026年3月にはフランス兵がスポーツアプリを通じて誤って位置情報を漏らす事故が発生しています。
フランス空母の位置がフィットネスアプリ「Strava」を通じて明らかになる事態が発生 - GIGAZINE
