FBS福岡放送

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4月14日で10年となる熊本地震で課題となったのが災害関連死です。

災害で直接死亡しなかったものの、避難生活で病気などによって死亡し、災害が原因と認定された犠牲者です。私たちが、熊本地震から教訓にすべきこととは。

10年前、震度7の揺れに2度襲われた熊本県益城町では14日朝、犠牲者に黙とうをささげました。

そして、献花台には花が手向けられました。

■福岡県歯科医師会 災害歯科コーディネーター・太田秀人さん
「もう10年たったかなというのが、正直なところです。」

福岡県太宰府市の歯科医師で、県歯科医師会の災害歯科コーディネーターでもある太田秀人さんは、初めて被災地で活動した東日本大震災をきっかけに、熊本地震など多くの災害現場で活動してきました。

■太田さん
「1000年に1度の災害の時に、自分たちのできることをやらなければ後悔するというのは、すごくあったので、歯科医師として(災害)関連死を防ぐことは自分たちの使命だと思う。」

太田さんは10年前の熊本地震では、発生後すぐに被災地に駆けつけ、被災者らの歯の治療などを行いました。

特に気をつけたのが、災害関連死につながる恐れがある「誤えん性肺炎」でした。

「誤えん性肺炎」は、口の中の細菌が、食べ物や唾液などと一緒に気管から肺に入って発症します。

■太田さん
「(ケアが)おそろかになっている口の中に(細菌が)いっぱい増えていて肺炎を起こす。もともと自分が持っているもので感染してしまうことが、口腔(こうくう)ケアが重要という理由です。」

熊本地震では、県内で亡くなった275人のうち、81.8パーセントにあたる225人が災害関連死でした。

熊本県の調査では、災害関連死で最も多いのが「誤えん性肺炎」を含む呼吸器系の疾患でした。

口のケアが十分でないと「誤えん性肺炎」を引き起こし、災害関連死につながりかねないのです。

ケア用品を確保しにくい避難先で災害関連死を防ぐために、私たちができる口のケアについて聞きました。

■太田さん
「ガーゼがもしあったら、指に巻きます。指に巻いて歯の表面をこするだけです。」

歯に汚れを残さないケアが大切で、ガーゼがない場合は、ティッシュでも代用できます。

日頃からケア用品を備えておくことも重要だということです。

■太田さん
「普段使っているもの(歯ブラシ)を、もう1本余分に(防災バッグに)入れておく。よく忘れがちなのが、お子さんの歯ブラシと、高齢者の方の入れ歯ブラシや洗浄の入れものですね。そういうものが支援物資で届きにくいので、特に強化して入れておくことが必要だと思います。」

災害関連死を防ぐため、太田さんの活動はこれからも続きます。

■太田さん
「災害が起きないのが一番ですが、もし起きた時に災害関連死0が達成できれば、我々としても本望かなと。」

災害時に必要なものは、性別や年齢などによって人それぞれに違う場合があります。

助かった命をその後も守るため、日頃からの備えを点検してみてはいかがでしょうか。

太田さんは、虫歯がなくても定期的に歯科医師の検診を受けて、口の中をきれいな状態に保つことが、日頃からできる最大の備えになると話しています。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年4月14日午後5時すぎ放送