女子駅伝チームの創設会見に出席した芦田和佳、原晋監督、池野絵莉(左から)【写真:編集部】

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青学大女子駅伝チーム創設会見

 青学大の陸上部(長距離ブロック)は4日、相模原キャンパスで女子駅伝チームの創設会見を開催した。初年度は部員2人からのスタート。今年の箱根駅伝で3年連続9度目の総合優勝を果たした男子駅伝チームの原晋監督が兼任で監督を務める。2027年10月の全日本大学女子駅伝の初出場・初優勝を目標の1つに掲げるが、ライバルに挙げたのは他校ではなく、異競技の存在だった。

 青学大を箱根駅伝の強豪校に引き上げた原監督は、会見で女子長距離界の現状を嘆いた。女子1500、3000、5000メートルの高校記録が20年以上更新されていないこと、都道府県高校駅伝に単独チームで参加した高校数が10年間で約4割も減少していることなどを指摘。「非常に危機的な状況だと思っております」と力を込めた。

 目標の1つに「競技人口の減少に歯止めをかけ、トップレベルの底上げを図る」ことを掲げ、チームとしては2027年10月の全日本大学女子駅伝、2028年12月の富士山女子駅伝などの初出場・初優勝を目指す。一方で、ライバルチームを尋ねられた原監督は他競技の名前を挙げてこう力説した。

「男子の時も、真のライバルは野球界、サッカー界にあると講演会などいろんな場で伝えてきた。身体能力の高いアスリートが『箱根駅伝を走りたい。大谷翔平じゃないんだ。陸上長距離を走りたいんだ』と。そういう志の高い若いアスリートを得るために陸上界をこれまで盛り上げ、牽引してきたつもり。女子の場合はどうなのか。強豪校は当然ライバルだが、真のライバルは女子ゴルフ界にある」

「このまま行くと指導者の雇用も失われる」

 原監督は宮里藍や横峯さくらが台頭した2003年を女子ゴルフ界の転機と分析。当時と比べて試合数も増え、賞金総額も倍増、男子との人気も逆転したと指摘した。「2人の頑張りで華やかな世界になった。23、24年の歳月でそうなった」。かたや女子長距離は記録も伸びず、競技人口も激減。「このまま行くと指導者の雇用も失われてくる、チーム数も少なくなり、大会自体もなくなっていく」と危機感を募らせる。

 ただ実業団に目を向けると、クイーンズ駅伝こと全日本実業団女子駅伝には昨年24チームが出場。予選会で漏れたチームも合わせると39チームになると言及。「39の受け皿がある。受け皿がなくて競技を続けられないアマチュアスポーツ、たくさんあります。しかし、日本の女子(陸上)界は最後の受け皿がきちっとある」。それもエディオンや日本郵政、資生堂やユニクロなど大企業が名を連ねる。

「これがなくなってしまった時のことを想像すると怖くて怖くてしょうがない。だから華やかなゴルフ界に行く女子アスリートではなくて、あのメカニズムを我々も勉強しながら、女性が輝かしく自分らしく走れる環境を整備することで、結果として記録も伸びるし、競技人口も増える、そういう構造を我々大学女子駅伝界が作っていきたい」

 原監督の視野は陸上界を越えた先まで広がっていた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)