ジャルジャル
 井筒和幸監督3年振りの新作であり、お笑い芸人ジャルジャルが映画初出演、初主演を務めた映画「ヒーローショー」。若者同士の間で起きたトラブルが取り返しのつかない殺人事件へと発展していくという青春バイオレンスだ。今回は、主演のジャルジャルに映画出演の感想や、撮影現場の雰囲気などを聞いた。

――今回お2人は「ヒーローショー」にて映画初出演、初主演を果たしましたが、最初オファーが来た時はどう思いましたか?

福徳:やっぱドッキリだと思いましたね。でも撮影入る前に1ヶ月くらい稽古があって、それが結構ハードだったんで、これはマジだなと思いました。

後藤:僕も絶対ドッキリやと思いました。監督と初めて話しているうちに現実的になってきたというか。井筒監督は「テレビで見るまんまの監督やな」って感じで、人柄が良いので緊張することは無かったです。

――井筒監督のこれまでの作品と、この「ヒーローショー」を比べるとどうでしょうか?

後藤:「パッチギ!」「岸和田少年愚連隊」は以前より観たことがあったのですが、「ヒーローショー」はコミカルな部分が無くて、バイオレンスシーンとかもかなり本格的で驚きました。

――実際の井筒監督の演技指導はいかがでしたか?

福徳:めっちゃ細かかったですね。ちょっとした動きでも全て決められていて。

後藤:この映画観た人には自分達の演技を褒められる事が多いんだけど、それは監督の指示・編集が素晴らしいからそう見えるだけなんですよ。

――先日行われた「沖縄国際映画祭」や試写会など、既に映画をご覧になられたお客さんの反応はいかがですか?

福徳:若い子達は戸惑っていたみたいですね。笑っていいのか、シリアスな気持ちで観ればいいのかどっちなんやろって。

後藤:最初の方は笑って観ていたみたいだけど、だんだん様子が違うぞって思うみたいですね。

――今後、映画界でのオファーが増えてくるかと思いますが、どんな作品に出演したいと思いますか?

後藤:それが、監督が「ヒーローショー2」を撮るまでは、他の映画出るなって言うんですよ。

福徳:本当かどうか分からないけど、禁止やって。

――それほど、お2人の演技を認めているということですね。最近お笑い芸人で映画を撮る人が増えていますが、映画を撮るとしたらどの様な作品を撮りたいですか?

福徳:僕は今回の井筒監督の仕事ぶりを見たら、軽い気持ちで撮れないっすね。構想だけで3年かかっていて、その後もめちゃくちゃ時間かかる作業なんで。映画って。

後藤:僕は、ブラット・ピットの「ベンジャミンバトン」を藤崎マーケットの田崎で撮りたいですね。

――それでは、映画が今週末にいよいよ公開となりますが、特にどんな人に観て欲しいかメッセージをお願いします。

福徳:R-15指定なので、なかなか難しいかもしれないけど、登校拒否しているような子に見て欲しいですね。

後藤:大人にも観て欲しいけど、やっぱメインは若い子ですね。後は、藤崎マーケットの田崎…。

――藤崎マーケットの田崎さんお好きですね(笑)。

後藤:いや、アイツすっごい映画が好きなので、映画好きとしての意見を聞いてみたいですね。この映画は本気でやっているので、評価が気になります。

福徳:そうそう。芸人ジャルジャルという事を忘れて、笑える映画では無いという事を踏まえて、ぜひ観に来て欲しいと思います。

ヒーローショー」ストーリー

バイトも専門学校も中途半端な日々を送る気弱なユウキ(福徳秀介)の新しいアルバイトは、ヒーローショーの悪役だった。ある日、バイト仲間のノボルが、ユウキの先輩である剛志の彼女を寝とってしまったことから、彼らはショーの最中に激しい殴り合いを繰り広げる。それだけでは収まらず、剛志はユウキも含め悪友たちを招集しノボルらを強請ろうとするが、ノボルたちも、自衛隊上がりの勇気(ユウキ)(後藤淳平)を引き入れ報復にでる。次第に彼らの暴走はエスカレートし、ついには決定的な犯罪が起きてしまう…。

ヒーローショー - 作品情報