「2番・二塁」で先発した西武・滝澤夏央【写真:加治屋友輝】

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ジェリーはNPB史上でも元楽天ファンミルに次ぐ歴代2位の長身

■オリックス 5ー1 西武(22日・ベルーナドーム)

 身長164センチで現在NPBで2番目に小柄な西武・滝澤夏央内野手が、NPB最長身の213センチ右腕、オリックスのショーン・ジェリー投手と初対戦。3打席の“49センチ差対決”で2安打を放ち躍動した。

 22日に本拠地ベルーナドームで行われたオリックス戦。リーグ2位につける西武にとっては、0.5ゲーム差の首位・オリックスとの重要な3連戦の初戦だったが、先発のジェリーに6回まで5安打無得点に封じられ、結局1-5で敗れた。ジェリーに幻惑された打線の中で、1人だけタイミングが合っていたのが「2番・二塁」で出場した滝澤だった。

 初回1死走者なしの第1打席では、カウント0-2と追い込まれながら、ジェリーが3球目に投じた外角のチェンジアップに反応し、“逆方向”の三遊間を破る左前打。「やっぱりデカかったです。初対戦で高さ、角度を感じるだろうと思ったので、高めをケアしながら打席に入りました。簡単に追い込まれましたが、なんとか食らいついていこうと思った結果、ヒットになってよかったです」と唇を綻ばせた。

 3回2死一塁での第2打席でも快音を響かせる。カウント0-1から内角高めの146キロのストレートを力強く振り抜き、中前へ運んだ。「真っすぐを狙い、思い切っていくつもりでした。一発でとらえることができました」という納得の1打だった。

 身長213センチのジェリーはNPB史上でも、2014年に楽天に在籍したルーク・ファンミル投手の216センチに次ぐ歴代2位の長身。一方、滝澤は広島のドラフト3位ルーキーで163センチの勝田成内野手に次いで、現在のNPBでは2番目の小兵である。2人の“ニアミス”が起こったのが、5回2死一塁での第3打席だった。

 カウント0-2から真ん中付近の145キロのツーシームを打つも、一ゴロ。一塁のベースカバーに入ったジェリーと、駆け抜ける滝澤の姿が一瞬重なる。滝澤の頭頂部がジェリーの胸の辺りを通過していった。

「腕が長いので近くで投げられているような打ちにくさがある」

 西武は2月26日に宮崎で行われたオリックスとの練習試合でも、先発したジェリーと対戦していたが、この時も2回1安打1死球無得点に抑えられた。9番でスタメン出場していた滝澤には打席が回ってこなかった。

 2度目の対戦でも、西武打線はジェリーを攻略できず、体調不良で欠場したタイラー・ネビン内野手に代わって4番を務めた岸潤一郎外野手は「肘の位置が低いので、そこまで角度は感じませんでした。ただ、腕が長いので、近くで投げられているような打ちにくさがありました」と首をひねった。今後も、滝澤の存在がジェリー攻略の鍵になりそうだ。

 滝澤は今季、打率.200で4月を終えたが、5月に入ってから月間打率.347(49打数17安打)と急上昇。今季トータルでも.273に上げた(成績は22日現在)。抜群の身体能力を生かした守備も絶品で、NPBきっての名手である源田壮亮内野手をベンチスタートに追いやり、スタメン遊撃で出場するケースも増えてきた。

 だが、2日前の20日のロッテ戦では、1-1の同点で迎えた9回の守備で、先頭打者の遊ゴロをはじく失策を犯し、この回に決勝点を許すきっかけとなった。「絶対にエラーをしてはいけない場面でした。自分のせいで負けたと思っていますし、試合がなかった昨日は休んで気持ちを切り替え、今日は絶対に活躍するという気持ちで臨みました」と明かす。「勝てなかったことは悔しいですが、今後自分で決められる試合を増やしていきたいです。やり返すだけだと思います」と力を込めた。

 普段から「小柄な野球少年に、希望や勇気を与えられる選手になりたい」と語る滝澤。「やられたら、やり返す」負けん気の強さが一番の持ち味だ。今季はスターダムへ駆け上がるシーズンになるかもしれない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)