スカートの中に手を入れたのは「スキンシップ」!? 元小学校教師が裁判で語った“呆れた動機”
複数の教え子にわいせつ行為
「スキンシップをはかるなかで、太ももを触ってしまいました」
教え子だった女児の体を触ったとして逮捕された26歳の元小学校教諭は、動機をこのように述べ、わいせつ目的ではなかったと強調した。
「1月8日、埼玉県狭山署は強制わいせつの疑いで、小学校教諭の古川航大(こうだい)被告(26)を逮捕しました。古川被告は勤務していた公立小学校の教室などで、低学年の女児の体を触るなど、わいせつな行為をした疑いがもたれていました。古川被告は『過去に学校で女児の体を触ったことはあるが、この件については覚えていない』と一部否認していました」(全国紙社会部記者)
’25年12月上旬、古川被告の教え子だった別の女児・Aさんの保護者が、「娘が性被害に遭った」と性犯罪被害相談ダイヤルに相談したことが犯行が発覚したきっかけだった。前出の社会部記者が続ける。
「このAさんの保護者からの『子供が教師からわいせつな行為を受けた』という相談は古川被告が勤務していた小学校の知るところとなりました。
学校側が調査を進めたところ、Aさんとは別の被害女児にわいせつな行為をしていたことが判明。同校から報告を受けた被害女児の両親が同月17日、狭山署に被害を届けたことから逮捕に至ったのです。同校の児童からは『古川先生からわいせつな行為をされた』という被害申告が複数あることから、狭山署は余罪があるとみて捜査を進めていました」
4月23日、さいたま地裁川越支部で古川被告の初公判が開かれ、即日結審した。
古川被告はAさん以外にも、逮捕のきっかけとなった女児ともう1人の女児に対してわいせつな行為に及んだとして捜査を受けたが、その2人とは示談が成立している。そのため、公判ではAさんに対する不同意わいせつの罪を問われることとなった。
検察官が読み上げた起訴状や冒頭陳述などによると、事件は算数の授業中、子供たちが個々で問題を解いている時に起きた。古川被告は、わからないことがあって手を挙げたAさんの元に行き、横にしゃがんで勉強を教えながらスカートの中に手を入れて太ももを触ったという。
古川被告は「間違いありません」と犯行を認めていた。
「わいせつ目的ではない」動機とは
公判のなかで検察官が読み上げたAさんの母親の供述調書には、娘の被害を知ったきっかけがこのようにつづられていた。
「’25年12月、家族でテレビを見ていると、『わいせつ行為で逮捕された』というニュースが流れました。私が娘にわいせつ行為の意味を説明すると、娘から『古川先生にわいせつなことをされた』と打ち明けられたのです」
そしてAさんから、授業中に古川被告にスカートの中に手を入れられて太ももを触られたと聞かされたことから、性犯罪被害相談ダイヤルに電話をして相談したという。
Aさんの母親は供述調書のなかで、「古川先生を厳しく処罰してください。もう二度と子供と接することのないようにしてほしい」と怒りをにじませていた。
Aさんの体を触ったことは認めた古川被告だが、冒頭のようにわいせつ目的ではないと述べ、当時の心境を説明した。
「教師としての経験が浅く、クラス運営がなかなかうまくいかなくて、なんとかしなきゃっていう焦りがものすごく強くなっていました。でも当時、誰かに相談するっていうこともできなくて、一人で抱え込んでずっと焦って、どんどん視野が狭くなっていったのです。
そして、とにかく子供たちと距離を縮めて、友達のような関係になればなんとかなるんじゃないかと考えて、スキンシップをはかっていました。ただ太ももを触ったのは間違いだったと思っています」
事件当時は、「休みの日も、何か目に入れば、これ授業で使えるかなとか、学校で子供に話したらどうなるかなとか、学校以外のことを考える機会がほとんどなかった」状態で、ストレスを抱えていたのだという。その後、信頼できる先輩教師から「生徒と適度な距離を保つ」ことを学び、最近ではむやみに教え子の体を触ることはなかったと主張した。
そして埼玉県教育委員会の調査に、「(Aさんの体を触ったことを)覚えていない」と答えたことについては、こう振り返っていた。
「(触ったことを)認めてしまったら、教師が続けられなくなってしまうという気持ちがあったので、『覚えてないです、やってないです』と言ってしまいました」
「動機に酌量の余地はない」
また警察の取り調べで動機について、「スリルを感じたかった」と供述したことについては、このように釈明していた。
「取り調べでも、仕事のストレスとか生徒との距離を縮めるためにスキンシップをはかっていたとか、これまで説明したような動機を話していました。しかし警察の方には納得していただけなくて、じゃあ違うのかなって思ってしまったんです。そして警察の方に、『スリルとか感じたんじゃない?』って言われて、確かに、太ももを触ったら普通はドキドキする。じゃあ当時の動機はスリルだったのかなって思ってサインしてしまいました」
現在保釈中の古川被告は、心療内科に通っているそうだ。そこで「性嗜好障害」ではないと診断されたが、ストレスに対する考え方や向き合い方を変えるために通院を続けるのだという。
古川被告によれば、勤めていた小学校は懲戒免職になっているといい、今後のことについては、次のように述べていた。
「子供と関わる職種からは離れようと思います。でも人と関わる、支えてあげられるような仕事はしたいと思っています」
この日に行われた論告求刑で、検察官は「教師としての立場を利用したものであり、卑劣で悪質」「他の人にバレるかもしれないというスリルを味わうために本件犯行に及んだもので、動機に酌量の余地はない」などとして「懲役2年」を求刑。
一方、弁護人は「被告人は信頼関係を構築しようとして焦るあまり、行き過ぎたスキンシップに及んでしまった」と主張。「医療機関への通院を継続している」「被告人の父が同居して監督や支援を行っている」などとして、「執行猶予付きの判決が相当」と述べた。
Aさんは古川被告の膝の上に乗ったりするような、クラスの生徒の中でも古川被告になついていた生徒だったという。だが、太ももを触る行為で本当に「友達のような関係」になれると考えたのだろうか。
被告人質問では、片岡理知裁判官の「他の人が見ている前で女子児童のスカートの中に手を入れたことがあったか」という質問に「ありません」と古川被告は答えた。
さらに片岡裁判官が「スキンシップをはかるためなんだったら、堂々とやればいいんじゃないですか」と質問を重ねると、「見られてもおかしくはなかった」と答えにならない発言をしていた。少なくとも、「堂々とやってはいけない行為」だとわかっていたのではないだろうか。
判決は4月30日に言い渡される予定だ。
取材・文:中平良
