ウイスキーをお湯割りで?スモークに日本酒の仕込み水?都内4店が提案する新しい楽しみ方が想像を超えてくる
寒い冬。日本酒のお燗や焼酎のお湯割りもいいけれど、同じ蒸留酒のジンやウイスキーでもお湯割りは楽しめるのです。そんなジンやウイスキーのお湯割りによる“新世界”をお見せしましょう。あなた好みの一杯が見つかるかも。
想像を超えてくるスモーキーな一杯『Bar霞町 嵐』@西麻布
店主の竹田さんは、カクテルの名手。ならば、とあえてシンプルな「ホットウイスキー」を頼んだら、取り出したのはまさかのガラスドーム。「これでスモークします」と涼しい顔でいう。
ベースにしたスコッチは、世界最古級の蒸留所が手がける「ロイヤル・ブラックラ12年」。シェリー樽由来の甘く華やかな香りと、フルーティさが特徴だ。割り水には、柔らかな口当たりが、ウイスキーを邪魔しないという日本酒・八海山の仕込み水を使う。
スモーキーホットウイスキー1500円

『Bar霞町 嵐』スモーキーホットウイスキー 1500円 グラスを近づけると、スモーキーさ、ローズマリーの爽やかさ、ウイスキーの甘やかさが重なり合う
ホットウイスキーはガラスドームの中でスモークし、仕上げに燃やしたローズマリーで香りづけをする。スモーキーでどこか爽やかな香りが立ち込め、飲む前から好奇心が掻き立てられる。
「ウイスキーは、温めることで香りの表現がグンと広がります。だからこそ、遊び甲斐があるんです」と竹田さんは教えてくれた。
西麻布の路地にひっそりと佇むこの店は、一見、敷居が高そう。だけれども、実はとてもフレンドリーな接客でリラックスできるところが魅力。
目の前で仕掛ける、まるでマジックのようなホットウイスキーで特別な夜をぜひ。

『Bar霞町 嵐』店主 竹田英和さん
店主:竹田英和さん「冬にぴったりなカクテルも用意しています」

『Bar霞町 嵐』カウンターも楽しいが、広々したテーブルもあり
[店名]『Bar霞町 嵐』
[住所]東京都港区西麻布3-23-14内田邸・地下1階
[電話]03-5772-8811
[営業時間]18時〜翌2時(翌1時半LO)※日・祝は〜翌1時(24時半LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄日比谷線六本木駅1c出口から徒歩約7分
温めることで広がるバーボンの甘さ『BAR TOKYO BOURBON CLUB』@新宿三丁目
「バーボンこそお湯割りがいい。その理由は、樽由来のバニラやキャラメルのような甘い香りが際立つからです」。
そう語りながら、バーテンダーの沼尾さんが出したのは『メーカーズマーク46』。スタンダードな『メーカーズマーク』と異なり、焦がしたフレンチオークの板を原酒に沈めて熟成させ、甘い香味がよりふくよかに表現されているという。
「これをお湯で割ると、甘みの奥行きがいっそう広がりますよ」と笑う。
ホットウイスキー1800円

『BAR TOKYO BOURBON CLUB』ホットウイスキー 1800円 バニラやキャラメルのような、甘やかな香りは、温めることでいっそう豊かに引き出される
ホットウイスキーの作り方にも、ここには流儀があった。トルココーヒーに使う銅製のイブリック(小鍋)で湯を温めてグラスへ。続いてウイスキーを注ぎ、そっとひと混ぜ。酒を後入れするのは、香りが飛ぶのを防ぐためだ。
深呼吸すると、甘く柔らかな香りが体中に行き渡り、これこそ冬のご馳走、そう思えてくる。いいなぁ、バーボンのお湯割り!
ここは2025年12月にオープンしたばかり。東京でも数少ないバーボン専門のバーで、120種以上の銘柄が並ぶ。ホットウイスキーは好みの一本を選ぶもよし、アレンジも自在、とバーボンのお湯割りを冒険したくなる。

『BAR TOKYO BOURBON CLUB』店長 沼尾友輝さん
店長:沼尾友輝さん「小さな蒸留所のバーボンにも注目です」

『BAR TOKYO BOURBON CLUB』地下に降りると、赤を基調にしたスケルトン天井の、秘密基地のようなフロアが現れる
[店名]『BAR TOKYO BOURBON CLUB』
[住所]東京都新宿区新宿3-11-13新宿土地建物第3ビル地下1階-A
[電話]03-3354-2229
[営業時間]18時〜翌2時
[休日]月
[交通]地下鉄丸ノ内線ほか新宿三丁目駅E1出口から徒歩約3分
深川のクラフトジンを角打ちで!『NICO酒店』@清澄白河
カップに湯を注ぐとふわっと立つ香りに包まれる。ソーダもトニックもいいが、ジンのお湯割り、こんなにいいなら早く言ってよと思った。
「ソーダより香りがわかりやすくなって、ハーブ感などもより楽しみやすくなります」とは、番頭こと、伊藤数麻さん。
クラフトジンを作る「深川蒸留所」が誕生したのが2023年。その代表でもある小林幸太さんが、ジンやリキュール、薬膳酒などを販売し、角打ちもできる“薬屋みたいな酒屋”として時を同じく開設したのがこちらだ。ちなみに伊藤さんは前身のバー時代からのお客さんで、漢方が得意な薬剤師という横顔も持つ。
そんな番頭さんとあれこれ話しながらいろんなジンを試すのが楽しいのだが、見逃せないのはやはり「深川蒸留所」の新旧ラインナップ。
自家製ジャーキー・琥珀糖(ハーフ)550円、深川ツブロ/アールグレイお湯割り1000円、FUEKIお湯割り1000円

『NICO酒店』(手前から時計回りに)自家製ジャーキー・琥珀糖(ハーフ) 550円、深川ツブロ/アールグレイお湯割り 1000円、FUEKIお湯割り 1000円 「FUEKI」は深川蒸留所のフラッグシップジン。ヒバの香りが印象的ですっきりとした味わいを楽しめる。芳香蒸留水から作る琥珀糖、味噌とみりんが効いたジャーキーも自家製
ジュニパーのウッディな香りに爽やかなベルガモットが重なる華やかな「アールグレイ」。ほかにも「苺」「柚子」「ホーリーバジル」……と癒しの香りの世界が広がっている。
冬場はクローブやカルダモンが入り、胃腸を温めるオリジナルの薬膳茶も沸いている。実はこれでアブサンを割るのもいい。体によさそうでしょ!?

『NICO酒店』番頭 伊藤数麻さん
番頭:伊藤数麻さん「香りのお酒なのでちょい足しでも楽しめます」

『NICO酒店』
[店名]『NICO酒店』
[住所]東京都江東区高橋11-1・1階
[電話]03-3846-1211
[営業時間]13時〜21時
[休日]火・隔週水
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅A2出口から徒歩3分
森と果実の香り、サクッとジンを『越後薬草蒸留所 CRAFT GIN STAND』@表参道
越後薬草は、創業以来50年、健康をテーマに「野草類」を原料とした酵素ドリンクを作っている。ハーブ、スパイス、果実、原材料は驚くなかれ80種類に及ぶ。
その植物発酵エキスを蒸留したものが「YASO GIN」のベースとなるスピリッツだ。そしてブランド誕生から3年、レギュラージンとして2023年に登場したのが「EXTRA HERB」。さらに20種類のボタニカルが使われている。柑橘やオリエンタルなスパイス、森の香り。ホットでいただくといろんな香りが次々顔を出す。そして樹々のざわめきや木漏れ日も思い浮かぶような爽やかさだ。
THE HERBALIST YASO GIN EXTRAHERB(ホット)800円、THE HERBALIST YASO GIN ORANGE(ホット)800円

『越後薬草蒸留所 CRAFT GIN STAND』(左)THE HERBALIST YASO GIN EXTRAHERB(ホット) 800円、(右)THE HERBALIST YASO GIN ORANGE(ホット) 800円 どのジンもトニック・ソーダ・ホットの割り方で注文できる
「カジュアルにサクッとジンを楽しんでほしい」とはスタッフのサキさん。
自然光の差し込むクリーンな空間で“スタンド”の名前どおり、コーヒー代わりにジンを片手に楽しむのもいい。この1本以外にオレンジとユズの2種のジンとアブサン、ノンアルのジンもある。ニガヨモギやアニスシードなどを蒸留しハーブも漬け込んだお酒、こちらのアブサンも知る人ぞ知る人気。独特の甘苦い風味があるがココア割りでも楽しめる。ハマっちゃうかもしれないな。

『越後薬草蒸留所 CRAFT GIN STAND』
[店名]『越後薬草蒸留所 CRAFT GIN STAND』
[住所]東京都渋谷区神宮前4-1-22・1階
[電話]なし
[営業時間]13時〜20時、土・日・祝:11時〜18時
[休日]月
[交通]地下鉄千代田線ほか表参道駅A2出口から徒歩5分
撮影/西崎進也(嵐、BAR TOKYO BOURBON CLUB)、大西陽(NICO酒店、越後薬草蒸留所)、取材/岡本ジュン(嵐、BAR TOKYO BOURBON CLUB)、池田一郎(NICO酒店、越後薬草蒸留所)
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、さまざまな種類のジン&ウイスキーのお湯割りの画像をご覧いただけます
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年3月号発売時点の情報です。
■おとなの週末2026年4月号は「喫茶は旅」
