「GSじゃなくてSS?」ガソリンスタンドのコンビニやカフェ併設店舗が増える理由に納得
「ガソリンスタンド」は海外では通じない?
ガソリンスタンドをよく見ていると、「震災対応SS」や「住民拠点SS」といった表記があり、SSという表記を見つけることができます。
また、JA全農が展開するガソリンスタンドは「JA-SS」という店名になっています。
しかし「ガソリンスタンド」という名称から考えると、SSではなく「GS」という表記が正しいようにも思えます。
実は「ガソリンスタンド」は、いわゆる和製英語であり、正しい名称ではありません。
消費者はガソリンスタンドと呼ぶことが多いですが、石油の元売り会社や販売店、経済産業省などは、ガソリンスタンドのことを「SS」と呼びます。
ちなみに、アメリカ英語では「filling station」もしくは「gas station」イギリス英語では「petrol station」と呼び、ガソリンスタンドと呼ぶのは日本だけです。
ガソリンスタンドの正式名称「SS」とは何の略?
ガソリンスタンドを表す表記である「SS」は「サービスステーション(service station)」の略です。
ガソリンの給油はもちろん、他の商品やサービスを消費者に提供する場所のことを指します。
例えば、灯油やエンジンオイルといった油脂類はもちろんのこと、油外商品と言われるガソリン・灯油等の燃料以外を幅広く扱っています。洗車・整備・車検といった車のメンテナンス業務のほか、レンタカーやカーリース、車両の販売を行う事業所も多いです。
さまざまな商品を「サービス」と一括りにして、サービスを取り扱うステーション、つまりSSという呼び方が定着したということです。
最近コンビニやカフェの併設が増えてきている理由に納得
サービスの多様化に伴って、最もよく目にするのはSSとコンビニの併設です。また、大手飲食チェーンとのコラボなども盛んに行われています。
スターバックスやドトールといったカフェをガソリンスタンド内に設置し、カフェ専用の駐車場を設けて、ガソリンスタンドではなくカフェに来るお客さんを増やすという経営手法も良く見られます。
こうした店舗をガソリンスタンドと共に経営するのには理由があります。
ガソリンは市場価格に左右されてしまうため、SS自身が自由に値付けできる商品ではありません。昨今は原油価格が高騰し続けていますが、その影響でガソリンの買い控えが増えると、経営が大きく傾いてしまう可能性があります。
そこで、給油以外の利用者を獲得したり、給油時に+αでお金を落としてもらうために、コンビニやカフェを併設しているというわけです。
つまり、サービスステーションの名前の通り、様々なサービスを展開するSSが現在のガソリンスタンドの主流となっています。
実際SSに勤めるスタッフたちは、「自分たちのことをガソリンスタンドよりもサービスステーションやSSと呼んでもらうほうが、イメージの刷新につながる」とも話してくれました。
ガソリン販売事業だけでは厳しい昨今、SSに求められるものとは
最盛期には全国で6万カ所以上のガソリンスタンドが存在しましたが、現在では減少に歯止めがかからず、最盛期の半数以下、3万カ所を割り込む状態となっています。車離れや地方での後継者不足が主な原因です。
統廃合を繰り返しながら、なんとか経営を維持する石油元売り各社と、店舗数を縮小させながらギリギリの経営をする全国のSS。ガソリン販売事業は、右肩下がりの産業になりつつあります。
こういった状況でも、様々なサービスを展開するSSは、幅広い商品ラインナップという強みを生かして、様々な分野への挑戦を行っているのです。
地域の特色に合わせて、いろいろな楽しみ方や利用の仕方を見つけられるサービスステーション。新たな魅力を発見できるかもしれません。
