駅伝で見かける「白バイ」どんな役割? 実は運転難しい? 求められる「運転技術」とは 普段の「知られざる活動」も

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駅伝を支える「白バイ」どんな役割?

 2023年1月2日、3日には第99回箱根駅伝の開催が予定されており、ランナーたちの激走が期待されます。なかには、先導する「白バイ」が印象に残る人もいるかもしれません。

 今回は、箱根駅伝をはじめ、規模の大きいマラソン大会などで見かける白バイについて解説していきます。

駅伝で見かける「白バイ」はどんな役割?

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 白バイを運転する警察官は、主に都道府県警察の交通機動隊に所属しながら交通違反の取り締まりやバイクの機動力を活かした犯人の追跡、警察の広報イベントにおけるPR活動などをおこなっています。

 箱根駅伝をはじめ、規模の大きいマラソン大会などでは白バイがランナーと一定の距離を保ちながら先導し、沿道からの人の飛び出しなどに対しても警戒をおこなっています。

 テレビに映る姿を見ると、白バイは簡単に運転できているように見えるかもしれませんが、じつは白バイの重さは約300kgあります。このため、その重さのバイクを低速で安定させながら走行するのは非常に難しいのです。

 駅伝での先導の白バイは低速を維持しつつ、車体がぶれないように走行するため高い運転技術が必要とされます。

 またランナーとは20m程度の距離を保ちながら走るため、常にミラーでランナーの位置を確認しています。

 後方のランナーを確認しつつ前方にも警戒しなければいけない、白バイを安定させながら走らなければいけないなど気にかけることが多いため、運転技術の優れた警察官が選ばれています。

 このように駅伝やマラソンでよく見られる白バイ隊員ですが、普段はどのような活動をしているのでしょうか。

 白バイは、シートベルトの未着用や携帯電話使用などの交通違反のほか、スピード違反の取り締まりもおこないます。

 白バイにはデジタルメーターパネルという速度表示板が設置されており、違反車両の後ろで一定の距離を保ちながら走行することでスピードを計測することができます。

 スピード違反の取り締まりの際には赤色ランプをつけ、サイレンを鳴らしながら走る様子が見られます。

 また、前述したように白バイは機動力が高く、比較的狭い道路においても犯人の追跡が可能です。

 クルマで逃走する犯人が急にUターンをした場合などでも四輪車と比べて取り回しがしやすいため、非常に役立ちます。

 さらに、意外と知られていない白バイの活動としては、被災地への災害派遣や二輪運転者に対する安全運転講習などが挙げられます。

 大規模な災害が発生した際には各都道府県から被災地に警察官が派遣され、被災者の救出活動や災害対策に従事する車両を通すための緊急交通路の確保のほか、亡くなった被災者の身元確認・検視などがおこなわれます。

 そのうち白バイ隊員は、緊急交通路の確保やオフロードバイクを使った被災地の情報収集活動、交通整理などに従事します。

 オフロードバイクは舗装がされていない砂利道や草地、岩場などでも走行できるため、地震や豪雨など被害を受けた土地の状況を確認するのに適しています。

 ただし未舗装の道路を走るのには高い技術が必要とされるため、日頃からバイクの訓練をおこなっている白バイならではの活動といえるでしょう。

 また、白バイ隊員は日常的にバイクに乗車する人向けの二輪車安全運転講習も開催しています。

 講習の内容は、白バイ隊員が乗車姿勢やバイクの点検方法について説明するほか、バイクの急制動やスラロームの走行を指導するなど、交通事故を防止するための活動もしています。

 白バイ隊員は厳しい運転訓練を欠かさずおこなっているため、このように指導者の立場で講習を実施することもあるのです。

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 駅伝やマラソンの先導、交通取り締まりをおこなっているイメージの強い白バイですが、実はバイクの機動力を活かした犯人の追跡や被災地への災害派遣、安全運転講習などの活動もおこなっています。

 テレビなどで見かける機会があれば、高い運転技術に着目するとおもしろいかもしれません。