ユニオンSGで欠かせない存在となりつつある三笘薫【写真:Getty Images】

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ベルギー人の記者が三笘に言及「彼の最大の強みは、スピードとドリブル」

 日本代表MF三笘薫は、2021年夏に川崎フロンターレからイングランド1部ブライトンへ完全移籍した。

 しかし、英国での労働許可証の取得条件を満たしていなかったことから、ベルギー1部リーグのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへレンタル移籍した。ベルギーリーグで首位に立つクラブで好パフォーマンスを見せている三笘の現状を、英メディア「Sussex Live」がベルギー人の記者であるトーマス・キャミ氏に取材して報じている。

 欧州へ渡った三笘は、ここまでリーグ戦19試合で6ゴール3アシストを記録。森保一監督の率いる日本代表でもデビューを果たし、英国での労働許可証取得にも近づいたとされる。ブライトンの地元メディア「Sussex Live」は、三笘がどのような活躍を見せているかとともに、冬の移籍市場でレンタル移籍を切り上げる可能性を聞いている。

 キャミ氏は、三笘の活躍ぶりについて「三苫薫がボールを持つたびに、スタジアムにいる全員が、息をのむのが感じられるんだ。何かが起こるのではないかと思うからね。ファンは彼のことが大好きだよ」と、切り出した。

 そして、加入直後の様子について、「三笘がユニオンに来た時、ほとんど何も知られていなかった。それでも、ファンは川崎フロンターレでのいいプレーやオリンピックで日本代表のために決めたゴールによって、多くのことを期待していたよ。外国籍選手だったから、フェリス・マッズ監督にとっては、ユニオンの哲学や、どうプレーするべきかを伝えるのは難しかった」と説明した。

 その後もキャミ氏は、三笘が第7節のゲンク戦(1-1)から出場機会を得て、圧倒的なスピードを持ち、長い距離をドリブルできるとファンがすぐに気づいたことを伝えている。また、0-2のビハインドからハットトリックを達成して4-2の逆転勝利に導いた第11節のスラン戦から、状況が変わっていったことも話している。

 三笘を見続けているキャミ氏は、「彼の最大の強みは、スピードとドリブルだ。違いを作る方法を、本当によく知っている選手だ。三笘はウイングバックでもプレーしているから、守備面でも多くの役割をこなさないといけない。それはピッチ上で、彼がやりたいことではないかもしれない。でも、彼はチームの助けになることを嫌がったりしない。最大の弱点は、チームメイトや監督、スタッフとのコミュニケーションが取りにくいことだろうね。英語を勉強しているけれど、まだ先は長そうだ」と、分析した。

ウイングバック起用が続くも「ストライカーとしてもプレーできるはず」

 ユニオンSGでウイングバックを務めている三笘だが、キャミ氏は「彼が最も好んでいるポジションはウイングだが、ストライカーとしてもプレーできるはず」と言い、シーズン終了までは、ベルギーでプレーを続けるのではないかと見解を述べた。

「ブライトンが彼を呼び戻したかは知らないが、ユニオンは間違いなく、残りのシーズンも三笘をキープしたいはずだ。彼らは本当に良くやっているし、CEOのフィリップ・ボーマン氏も、『この移籍市場でキープレーヤーは1人もチームを離れない』と話している。個人的にも、彼は残るべきだと思う。ブライトンの状況は分からないけれど、三笘は多くの出場時間を得られているし、ユニオンは彼がブライトンに戻る前に成長をするための素晴らしいチームだと思うよ」

 ベルギーで活躍を見せている三笘だが、キャミ氏の希望どおりにシーズン最後までベルギーで飛躍を続けることとなるのだろうか。(Football ZONE web編集部)