「JR京葉線・舞浜駅」夢の国、じゃないほうに住んでみたら…

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どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、JR京葉線「舞浜」駅。

舞浜は「東洋一のレジャー施設」を目指して作られた

「舞浜」駅は、千葉県浦安市に位置するJR京葉線の駅です。「西船橋」駅から武蔵野線に乗り入れる電車が停車し、ディズニーリゾートライン「リゾートゲートウェイ・ステーション」への乗換駅でもあります。1日の乗車人数は約8.3万人です。

「舞浜」といえば、東京ディズニーリゾートの最寄り駅として知られていますが、その地名は、アメリカのディズニーワールドがあるフロリダ州の「マイアミビーチ」をもじって、マイアミのマイを舞、ビーチを浜にしてつけられた……。なんて説も時折聞かれますが、浦安市によると、日本の代表的な神楽舞「浦安の舞」にちなんで名付けられた、と説明されています。

そもそもこの一帯、以前は海の底。埋め立ての街です。1964年に始まった浦安沖の埋め立て事業で、市域は現在4倍に広がりました。舞浜エリアの埋め立てが完了したのは1970年のことでした。

埋め立てと同時に進められていたのは、舞浜地区に東洋一のレジャー施設を建設するという計画。遊園地よりもスポーツ施設がメインとなるもので、テーマ性を備えたプレイランド(テーマパーク)、ホールエリア、ファッションスクエア、ホテルなどが集積したものだったといいます。

その後、計画の実現に向けて行った欧米のレジャー施設の視察・調査の結果、ディズニー社にオファー。1974年に基本合意となり、1980年にオープンとなりました。

駅の南口にはリゾートが広がっているため、住むなら北口エリアが対象となります。駅前には成熟した住宅街が広がり、単身者向けの賃貸物件は、その外側に点在しています。

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京葉線・舞浜駅

通勤、買い物…あらゆる面で単身者向けとはいえない!?

「舞浜」駅周辺の家賃水準をみていきましょう。まずは駅周辺の家賃相場です。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は6.50万円、11分を超えると5.11万円(図表1)。同条件の浦安市の家賃水準は、駅10分圏内で6.75万円、11分を超えると6.01万円。「舞浜」駅周辺は、市の家賃水準を下回る、リーズナブルなエリアだといえるでしょう。

[図表1]「舞浜」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(5月26日時点)※単位は万円

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25〜29歳で27.5万円、30〜34歳で34.1万円、千葉県勤務で25〜29歳で24.9万円、30〜34歳で29.0万円となっています(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、千葉県勤務は6.2万円、都内勤務30代前半は8.5万円、千葉県勤務は7.4万円となります。

[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」※10名以上の企業対象※数値は所定内給与額※単位は万円

「舞浜」駅周辺は、若い20代の会社員でも居住を検討できる家賃水準です。しかし大手ポータルサイトで検索すると、単身者向けの賃貸物件が少ないエリアであることがわかります。

駅前は基本的に一戸建てが建つエリアで、賃貸物件の多くは徒歩11分以上の「富士見」や「弁天」エリアになります。また築年数は10年〜30年以上がメインで、新築物件はあまり見られません。物件に新しさを求めるのであれば、少々厳しいエリアといえます。

交通面を見ていきましょう。JR京葉線利用で「舞浜」から「東京」は16分。京葉線「東京」駅は、他路線のホームと距離があり、乗り換えには15分ほど考えたほうが安心です。また京葉線は風に弱い路線としても有名で、強風の日はバスやタクシーで東京メトロ東西線「浦安」駅に向かう必要があります。

生活面はどうでしょうか。駅南口には商業施設「イクスピアリ」があり、スーパー「成城石井」がテナントとして入っています。そのほか周辺でスーパーを探すと、駅からは徒歩30分以上、富士見や弁天エリアに「ヤオコー」や「サミット」があり、日常品の購入であれば、駅前よりも住宅街の最寄りのスーパーになりそうです。またコンビニも少ないエリアなので、単身者にとっては厳しい買い物環境といえそうです。

飲食店はどうでしょうか。やはり「イクスピアリ」には飲食店も充実していますが、家族や友人など、複数人での来店が好まれる店が中心。ファミレスやファストフード、牛丼店など、単身者の強い味方になってくれるお馴染みのチェーン店はほぼないので、外食メインの単身者にとっては厳しい環境といえるでしょう。

「舞浜」は、恒例の『住みたい街ランキング』で、千葉県で5本の指に入る人気の街。しかしリゾートのための駅であり、リゾートでない側のエリアもは基本的にファミリー向けの一戸建てが中心のエリア。駅チカを諦めれば単身者向けの賃貸物件も見つかりますが、買い物スポットは限られます。車があれば郊外型の店舗の利用も視野に入りますが、休日の渋滞に巻き込まれることも。それでも徒歩圏内に大好きなリゾートがある生活は、ファンであればありがたい環境なのかもしれません。