学生の窓口編集部

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日本を代表する山「富士山」。世界遺産に登録されたのは誰でも知っているだろうが、「山頂」は私有地なのをご存じだろうか?

1936年に国立公園に指定され、その自然のほとんどが天然記念物な貴重な存在なため、動植物はおろか「石」を持ち帰るのもNG。世界遺産にも登録され、海外からも観光客が増えているようだが、およそ8合目より上は浅間(せんげん)神社が所有している。国立公園&世界遺産なのに「山頂は私有地」なフシギな山なのだ。

■富士山は4冠王
日本一高い山として知られる富士山は、同時に日本最大の活火山(かつかざん)。およそ70万年前に誕生したと考えられ、噴火を繰り返して大きくなった。現在のかたちになったのは1707年の宝永(ほうえい)噴火で、これを機に小さな活動だけしか観測されていない。歴史的には約200年周期で噴火しているので、いつ大規模な活動が再開してもおかしくない山なのだ。

1936年に富士箱根国立公園に指定され、1955年に伊豆が加わり現在は「富士箱根伊豆国立公園」の一部である。このほかにも、
 ・1952年 … 国指定特別名勝(めいしょう)
 ・2011年 … 国史跡(しせき)
 ・2013年 … 世界文化遺産
と、あわせて4つの「肩書き」を持っている。

富士山の「石」を持って帰っちゃダメなのはなぜか? これは「自然公園法」で禁止されているからで、動植物はもちろん、溶岩などの鉱石も採取してはならない。これ以外にも、
 ・テントを張る
 ・たき火をする
 ・リードなしでペットを放つ
が禁止されている場所もあり、違反者は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金と、重い罪が科せられる。環境省のwebには「とってよいのは写真だけ」と、なかなかしゃれたコピーが挙げられているので、富士山を登るひとはくれぐれもご注意いただきたい。

■かなりカオスな富士山頂
富士山は「どこ」にあるのか? 静岡と山梨にまたがっているのでどちらとも表現できるが、山頂は県境(けんざかい)がはっきりしていないので「どちらの県」とも言えない。それどころか私有地なので、「公共の場」ですらないのだ。

富士山頂は「富士山本宮浅間(せんげん)大社」の土地で、紀元前27年から歴史を重ねる神社の所有地。徳川家康が寄進した本殿は重要文化財に指定されているなど、歴史的にも重要なエリアである。ところが明治政府はこれを国有地に編入。のちに神社側が返還を求めるもなかなか認められず、はなしは最高裁にまで持ち込まれた。

決着がついたのは2004年で、国から無償譲渡のかたちで神社側に返還されるまで、およそ半世紀を要した。現在、8合目以上の約400万平方mの広大な土地は、国が認めた「私有地」なのである。

山頂の県境問題は、いまだに決着がついていない。世界文化遺産を始め4つのタイトルを持つほどの名所でありながら、山頂は、
・何県かは「不明」
 ・国立公園なのに「私有地」
なのだ。
外国人観光客に説明するのは至難のワザだろうから、8合目までは富士山、それ以上は「浅間大社」と、呼び名を変えたほうが良いのかも知れない。

■まとめ
 ・富士山は、国立公園など合わせて4つの「肩書き」を持っている
 ・「石を持って帰っちゃダメ」なのは、自然公園法に守られているから
 ・8合目よりも上は浅間大社の「私有地」
 ・浅間大社に返還されたのは2004年。50年近くも裁判が続けられた…