許されない誹謗中傷の標的に…サヨナラ被弾のド軍守護神に向けられた非道な言葉 愛する妻が打ち明けた“MLB投手の現実”

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打たれた日にはベンチで悔しさを隠さないスコット(C)Getty Images

 守護神はふたたびリードを保てなかった。

 現地時間6月4日、敵地で行われたダイヤモンドバックス戦で、ドジャースは2-3と敗れた。8回裏に追いつかれて迎えた9回裏、クローザーのタナー・スコットを送り出したが、1死無塁の局面から相手主砲ケテル・マルテにサヨナラソロホームランを打たれてしまった。

【動画】サヨナラ満塁弾を浴びた守護神スコットの投球シーン

 もっとも、打たれた一球は失投ではなかった。先頭打者のトミー・トロイを空振り三振に切っていたスコットは、マルテに対する初球でインコース低めに97.2マイル(約156.4キロ)の4シームを投球。ゾーンのやや下に食い込んだボールを32歳のスラッガーは、狙いすましたようにスイング。華麗な一振りで左中間スタンドにまで放り込んだ。

 試合後、米スポーツ専門局『Sports Net LA』の取材に答えたスコットは「彼に脱帽するしかない」と回答。マルテの打力を認めた上で「もっと内角高めにいくべきだったんだろうね。でも、彼が積極的に振ってくるのは分かっていたし……本当に良い打者だよ」と続けた。

 ただ、直近5登板でスコットの防御率は5.40と苦戦が目立つ。同期間中に奪三振率10.80とハイアベレージを維持しながら、踏ん張りきれない展開が続いている。

 そんな守護神には一部のファンから心無い、というよりも言語道断の批判が飛んでいる。逆転2ランを被弾した5月30日のフィリーズ戦後には、第2子をお腹に宿している妻マディーさんが「お前の家族を銃撃する」「死産だといいな」といった顔も知らないユーザーからの卑劣な投稿を自身のインスタグラムで公開。そして、「私たちの気持ちは実際に経験しないと分からないと思います。気になっていた人のために言うと、これが残念ながらメジャーリーガーの現実です」と切実に訴えていた。

 こうした状況下でスコットの心が穏やかでなかったのは想像に難くない。それでもダイヤモンドバックス戦後には「ここ(球場)から出てしまえば、もうそれで終わり。次の試合へ向かうだけだ」と前を向いた31歳に、百戦錬磨の守護神の矜持を見た。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]