矢野経済研究所は、国内のエステティックサロン市場を調査し、8エリア別や施術別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2025年度のエステティックサロン市場規模は前年度比92.1%の2797億円の見込であることがわかった。脱毛サロン運営企業におけるトラブル拡大による負の影響が他市場にも波及している。

2025年度のエステティックサロン国内市場規模は2797億円(事業者売上高ベース)、前年度比92.1%となる見込みである。2020年以降続くマイナス推移は6期連続となり、その縮小幅はもう一段進んだ。

分野別に市場をみると、総市場の6割超を占めるレディスの施術(美顔、痩身・ボディ、脱毛、その他合計)市場が1688億円(前年度比88.2%)と大きく後退し、脱毛市場における企業の大量店舗閉鎖が大きな要因である。一方、男性の美容への関心が高まっていることを背景に注目されるメンズエステ市場は、2024年度に比べて高い伸びとなった。ただし、メンズエステにおいても脱毛サロンの伸びは抑制されており、美顔や痩身が下支えした状況にある。

脱毛特化型エステティックサロンだけでなく、医療脱毛クリニックや経営・運営をめぐるトラブルが発生したことによって、一回の施術ごとに支払う都度払いの導入を打ち出し、費用をサイトにわかりやすく掲示するサロンやクリニックが増えている。一般的に都度払いは、一括前払いに比べて割高になるケースが多い。一方で、利用者にとっては、契約時に施術料金を一括で前払いした後に店舗が閉鎖してしまい、支払った料金の返金をめぐってトラブルが発生していることから、一定の改善策になる可能性がある。支払いの選択肢を消費者に分かりやすくに示すことで業界への信頼回復の一歩になることを期待する。

2026年度のエステティックサロン国内市場規模は前年度比100.2%の2803億円と予測する。

2026年度以降のエステティックサロン国内市場の予測にあたっては、2025年3月に起きた脱毛サロンの運営をめぐるトラブルによって、大量店舗閉鎖という危機的事態をどう捉えるかが、大きな要素となる。運営権を巡るトラブルは、収束の方向へと向かっているようにみえるが、同件が業界や利用者に与えた影響は大きく、ダメージは避けられないものと考える。近年、同業他社による救済策がとられるようになっており、都度払いの導入と告知が以前に比べて周知されるところとなった。市場の本格的な回復には、さらなる時間を要すると見られるが、昨今の業界イメージを刷新するべく、改めて堅実な経営、企業運営が求められ、市場の維持存続に向けた機運が高まっている。

[調査要綱]
調査期間:2025年11月〜2026年1月
調査対象:エステティックサロン、エステティックサロン関連商材取扱企業等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)
[発刊日]1月30日(金) 

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp