最初から本気じゃない(C)共同通信社

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 高市首相が年初に不意打ち解散・総選挙に出た際、「私自身の悲願」とまで言ってのけたのが消費税減税だ。しかし、実現に向けた雲行きが怪しくなってきた。

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 高市首相肝いりで自民党の選挙公約に掲げられたのは「2年限定の飲食料品の消費税ゼロ」。赤字国債の発行に依存せず、「2026年度内に目指す」と自身の希望を語っていた。選挙後の国会答弁では、今夏までに「中間とりまとめ」をして、今秋に想定される臨時国会での関連法案の提出を目指す考えも表明した。

■報じられるのはネガティブ材料ばかり

 協議の場として設けられた超党派の「社会保障国民会議」は2月26日に初会合。3月には各党幹部の「実務者会議」も始まり、これまでに5回開かれた。うち3回は関係事業者などからヒアリングを行ったのだが、報じられるのは減税にネガティブな話ばかりなのだ。

 経済団体や市場関係者からは、年間5兆円の代替財源が確保されるのかどうかや市場の信認が揺らぐことへの懸念が出された。小売業者からは、値札対応などで「法改正から最低でも1年は必要」「他の手段も検討してほしい」と悲鳴が上がった。システム事業者も「大手スーパーやコンビニ向けのシステム改修作業には1年程度必要」と答えたという。

 会議は非公開で行われ、自民党の小野寺税調会長が終了後にマスコミにブリーフィング。8日の実務者会議後、小野寺氏は「課題を乗り越えどのように実現していくか検討したい」と言ったが、9日、自民の小林政調会長は「26年度中の減税実施」にこだわらない考えを示した。実現がどんどん遠のいている。

「やはり国民会議は『消費減税は簡単にはできない』という方向に持っていくために行われているように見えます。もともと自民党内の財政健全派中心に消費税減税には反対が多い。財務省も当然、減税はやりたくない。経済界も社会保障財源のために、むしろ消費税率アップを求めてきた」(政界関係者)

 マスコミも懸念材料を垂れ流し状態。8日の会議についても、実施時期が大きくズレ込む可能性を一斉に報じていた。

「新聞は食料品と同様に8%の軽減税率が適用されている。食料品がゼロになるなら新聞はどうなるのか。マスコミも本音では消費税減税に触れられたくないのでしょう」(前出の政界関係者)

 まさに消費税減税「断念」への包囲網が着々と完成しつつある。「中間とりまとめ」に減税方針が本当に盛り込まれるのかどうか。できなきゃ自民は公約違反だが、もともと高市首相は消費税増税派だったことが削除コラムで明らかになっている。野党潰しの選挙対策で口から出まかせを言っただけで、やはり本気じゃないのだ。

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