(写真・JMPA)

 4月23日に投開票がおこなわれた、衆参5つの補欠選挙を、4勝1敗とした自民党。勝ち数だけを見ると圧勝だが、個別の内容に目を向けると、まさに辛勝。参院大分選挙区は、わずか341票差という薄氷の勝利だった。

「開票が進むにつれて、党内には重苦しい空気が流れ、『目論んでいたG7広島サミット後の解散総選挙は、遠のいたのではないか』という声が大きくなっていきました」(自民党担当記者)

 4月末には、選挙後、初となる報道各社の世論調査がおこなわれた。その結果は選挙結果とは裏腹に、軒なみ岸田内閣の支持率が上昇していたのだった。

 日本経済新聞社とテレビ東京が4月28〜30日におこなった調査では、「支持する」が前月から4ポイント上昇の52%。8カ月ぶりに5割台となった。

 共同通信が29〜30日におこなった調査でも、前回より8.5ポイント上昇の46.6%。JNNの調査でも、前回から2.9ポイント上昇の47.2%だった。

「率直に言って、増税や社会保険料の引き上げが取り沙汰されるなかで、この結果は不思議です」と首を傾げるのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。

「維新の会に勢いがあるとはいえ、野党に対する国民の期待感は下がっています。『それなら、可もなく不可もない岸田政権にまかせておくか』という、冷めた、あきらめみたいなものがあるのだと思います」(伊藤氏)

 前出の自民党担当記者は「2022年に話題となった、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治の関係をめぐる問題が、有権者のなかで関心が薄れていることも支持率上昇につながっている」と言う。

 自民党中堅議員は、今回の世論調査の結果に『大型連休後も他社の世論調査が出てくるだろうが、いい数字が期待できる』と安堵の表情を浮かべる。

 しかし、ネットなどでは自民党への批判や不信は相変わらず多い。そのほとんどは「増税」と「社会保険料引き上げ」への不満で、

《社会全体で少子化・子育てなどと言われても 増税・物価高などで疲弊した国民には余力は もう残っていない》

《国民負担率48%なのに支持率上がるってw さらに増税されても文句ないと言う事かw》

《防衛と言えば増税、少子化と言えば増税》

など、辛辣な意見が並ぶ。

 さらには支持率アップから

《岸田さんは自信ができただろうからG7の後は解散して貰いたい。世論調査ではなくて選挙で決着を》

と“主戦論”まで飛び出している。

 伊藤氏は「支持率が50%を超えると、解散の可能性が高まります」と指摘する。岸田首相の判断は、意外に近いかもしれない。