今後、コロナの回復に合わせて、何かのきっかけで金融市場の歪みが出てくる可能性はあると思います。とりあえず、スエズ運河の座礁事件は幸いにも回復したようですが、トルコのエルドアン大統領が中央銀行の総裁と副総裁を短期間に立て続けに更迭するなど、為替市場には特有のリスクも存在しています。

 為替市場全体としては、株式市場などに比べてそれほど大きなボラティリティー(変動幅)になっていないため、しばらくは比較的安定した相場が続く可能性がありますが、不測の事態には備えておく必要があります。

 ――4月の各通貨の予想レンジは? 
 
 為替市場という点では、全体的には「揉み合いながらのドル高」と考えて良いのではないでしょうか。「ドル以外の通貨が弱く、とりわけ円が弱い」というスタンスでいいと思います。4月の予想レンジは以下の通りです。
 
●ドル円・・1ドル=108円−111円50銭 
●ユーロ円・・1ユーロ=127円−131円 
●ユーロドル・・1ユーロ=1.15ドル−1.21ドル 
●英国ポンド円・・1ポンド=149円−153円 
●豪ドル円・・1豪ドル=83円−85円50銭 
 
 ――4月相場で注意する点を教えてください。 
 
 比較的穏やかなペースでドル高円安が進み、ボラティリティーもさほど大きくない・・・。そんな相場が予想されます。ただ4月に入ったばかりの数日は、キリスト教徒にとって聖なる日である「グッドフライデー」がある影響で、欧州全体で金融市場が休場となり、米国も株式市場や原油市場などがクローズします。世界の数多くの取引所が休場になるため流動性の少ない相場になります。

 加えて、雇用統計などの重要な指数が発表されるため注意が必要かもしれません。ISM製造業景気指数や雇用統計で予想を超える数字が発表された場合、やや変動幅の大きな相場になるかもしれません。雇用統計など為替市場に大きな影響をもたらしそうな景気指数の発表されるときには、ある程度の緊張感を持って、相場の成り行きを見守る必要があると思います。(文責:モーニングスター編集部)。