「楽天ユニオン」勝又勇輝代表

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「一方的な規約変更を出店者側に強要する態度はまるで中世の悪徳地主。意に介さぬ出店者側に対しては、唐突に導入された違反点数制度(罰金制度)により、強制退店や、100万円を超える高額な罰金を楽天に支払う必要がある。奴隷のような扱いをされることに我慢ができず、対抗措置として組合を結成しました」

◆楽天の「配送料無料」に異議あり

 そう語るのは、任意団体「楽天ユニオン」の代表を務める勝又勇輝氏。団体設立は10月中旬。日本最大級のインターネット通販会社「楽天市場」が打ち出した配送料無料(購入額3980円以上)の方針に対して、送料を全額出店者側が負担することに猛反発した勝又氏は、団体交渉権を得るためほかの出店者たちと同組合を立ち上げた。

「送料無料といえば聞こえはいいですが、実体は中小企業のいじめに近い。たとえば福岡のお店に北海道のお客さんから4000円の注文が入った場合、送料1800円を小売店側が負担する必要があります。

 この負担分は、中小であればあるほど価格に転嫁せざるを得ず、価格競争で不利になることは明らかです。送料無料を強制された際、送料の高い地域への販売は停止せざるを得ず、自由で公平な商売を妨げています。

 そして、こうした楽天側からの一方的な規約変更は今回が初めてではありません。度重なる不満、そして疑問が積み重なり、今回の組合設立となりました」(勝又氏)

 周知のとおり、楽天市場は多数の出店者によるモールが形成されているが、規約・契約内容、手数料等の変更は、プラットフォームである楽天の一存で決まっている。楽天と出店者側が取り交わす契約によると、下記のようになっている(以下、原文ママ)。

(規約の変更)
1.甲(楽天株式会社)は、必要と認めたときに、乙(出店企業)へ予告なく本規約および本規約に付随する規約の内容を変更することができる。
2.本規約または本規約に付随する規約の変更については、甲が変更を通知(甲のサーバ内で乙がIDおよびパスワードでアクセスできる部分に掲示した場合を含む)した後において、乙が出店を継続した場合には、乙は新しい規約を承認したものとみなし、変更後の規約を適用する。

 要約すると「規約の変更は、楽天の一存で予告なく決めることができる。楽天は出店者に通知し、出店者が楽天への出店を取りやめない限り、新しい規約を承認したとみなす」となる。この有無を言わさぬ規約変更が様々な軋轢を生み出してきた。その最たる例が、3年前の16年9月に導入された「違反点数制度」だ。

◆もはや罰金ビジネス化

 例えば、商品説明に「最上級、最安、世界一」など扇情的なコピーを使った場合に20点、商品発送前のカード決済処理で80点、権利品侵害で100点など、まるで交通違反の取り締まりのように細かく禁止規約とそれに対する違反点数が決められ、年間累積で35点以上になると7日間のランキング掲載、検索表示順位ダウンなどのペナルティ。

 累積違反点数75点で70万円(同様のペナルティが21日間)、80点で140万円(ペナルティ28日間)、100点で300万円(+原則強制退店)と、恐ろしいまでの上昇率で罰金額がはね上がっていき、売り上げから自動的に徴収される。

「当初は詐欺や悪質なサイトを取り締まる名目で始まりましたが、悪質とはいえない店舗にも影響が出てきて“罰金ビジネス化”しています。ある花屋さんが商品ページに『セール』と打ったところ、楽天から『何を根拠にセールをしているのか』と扇情的なコピーであることを指摘され、気づけば違反点数が積み重なり、140万円の罰金処分。

 一撃で一発退店+300万円の罰金となる恐怖の『権利品侵害』も、明らかなコピー商品や偽造品、偽物であるならわかりますが、ちょっと抵触するかもと思われるグレーな商品について、楽天側がわざわざメーカー側に通報したうえに“黒”と認定。『メーカーからの指摘で権利品侵害に抵触します』とされ、300万円の罰金、強制退店となったケースもあります。