おやつやお茶請けの定番といえば「ビスケット」「クッキー」「サブレ」ですが、一見しただけでは見分けのつきにくい、これら3つの洋菓子の違いは何でしょうか。

 オトナンサー編集部が、日本洋菓子協会連合会に聞きました。

ビスケットは日持ちをよくしたパン

 まずビスケットは、英国における、小麦粉、砂糖、バターなどの油脂、卵といった材料を使った焼き菓子の総称です。

 そもそもは、欧州で古くから軍隊用や航海用に使われていた、日持ちをよくするために2度焼いたパンが、16〜17世紀の英国で現在の形となり、ビスケットの名称で定着したといいます。日本には江戸時代末期、長崎・平戸に伝わったのが最初だそうです。

 ちなみに、米国でビスケットといえば、ケンタッキーフライドチキンにあるような、生地にバターやラードを加えたものを焼いて膨らませ、ソースなどをつけて食べる食べ物で、英国の「スコーン」のようなものを指します。

 次にクッキーは、米国における、小麦粉、砂糖、バターなどの油脂、卵といった材料を使った焼き菓子のことで、英国のビスケットと同じものです。17世紀に米大陸に入植した欧州人の主婦たちが、各家庭でお菓子のレシピを工夫し、それぞれの出身国の文化が混じり合ってクッキーの原型が作られたとされます。

 チョコチップクッキーに代表される、やわらかい生地をクッキングシートにスプーンで落として作る「ドロップクッキー」、固い生地をロールで延ばしてから成形する「ロールクッキー」、オレオに代表される「サンドイッチクッキー」、鍋などに流し込んで焼いた後、クッキーサイズに切り分けて作る「バークッキー」などがあります。

フランス語で「砂」を意味するサブレ

 フランス語で「砂」という意味のサブレは、英国のビスケットとほぼ同様のものですが、ビスケットはバターと薄力粉の割合が「1:2」なのに対して、サブレはほぼ「1:1」で作るためバターの風味が強く、サックリとした食感が特徴です。

 総括すると、英国の「ビスケット」は米国の「クッキー」と同じものですが、米国の「ビスケット」は英国の「スコーン」と同じもの、そして「サブレ」は、英国の「ビスケット」のフランス版ということになります。

 ちなみに日本では、全国ビスケット協会が「公正競争規約」で、糖分と脂肪分が全体の40%以上のものを「クッキー」、40%以下のものを「ビスケット」と定めています。

(オトナンサー編集部)