会談で韓国の李在明大統領(右)と握手を交わす高市首相(19日、韓国・安東で)=米山要撮影

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 【安東(韓国南東部)=三沢大樹、仲川高志】高市首相は19日、韓国を訪問し李在明(イジェミョン)大統領と会談した。

 14、15日に開かれた米中首脳会談を踏まえ、インド太平洋地域の平和と安定の促進に向けた戦略的連携を進めることで一致した。緊迫する中東情勢を受け、石油製品などの相互融通を含めたエネルギー安全保障分野での協力を進めていくことも合意した。

 首脳の相互往来「シャトル外交」の一環で、両首脳の会談は3回目。今年1月に李氏が来日した際、首相に地元・奈良に招かれた返礼として、李氏の出身地・安東(アンドン)で行われた。韓国側は「国賓に準ずる礼遇」(大統領府)で迎えた。

 会談は約1時間40分行われ、中東情勢への対応と、米中首脳会談を受けた両国の対応が焦点となった。韓国政府によると、両首脳は米中会談の結果を共有し、戦略的な意思疎通を強化していくことを確認した。東アジアの平和と安定の維持に向け、米国の関与をつなぎ留めることを念頭に、日米同盟と米韓同盟の連携による抑止力・対処力の維持、強化に向け日韓が主体的に取り組んでいく重要性でも一致した。

 北朝鮮問題についても協議し、日韓、日米韓の安保協力を強化するための緊密な情報共有を進めるとした。

 首相は会談後の共同記者発表で「国際社会が激動し、世界全体が不安定化している中でこそ、日韓首脳が緊密に意思疎通を行うことは大きな意義がある」と強調した。李氏は「シャトル外交が完全に定着した。未来志向の協力をいっそう拡大していく」と述べた。

 ホルムズ海峡の事実上の封鎖で両国ともに打撃を受ける中、〈1〉石油製品や液化天然ガス(LNG)の相互融通を含めたエネルギー安保分野の協力〈2〉アジアのエネルギー供給力強化に向けた金融支援枠組み「パワーアジア」を巡る協力――の2点を開始することも首脳間で申し合わせた。

 協力の具体化に向け、両政府は高官間での「産業・通商政策対話」を創設する。会談後、両政府はエネルギー安保を柱とする協力策を盛り込んだ文書「共同プレスリリース」を発表した。