米国とイランが合意していた2週間の停戦期間が延長された。

 米国が戦闘再開を見合わせたのは妥当だが、対イラン協議のめどは立たず、手詰まり感は否めない。

 両国は不毛な駆け引きをやめ、ホルムズ海峡の封鎖を解いたうえで、交渉を通じた戦闘の完全終結を目指さなければならない。

 停戦延長は、トランプ米大統領が期限切れ直前になって表明した。新たな期限は示さなかった。両国は4月7日に停戦で合意し、22日が期限とされていた。

 停戦発効後、両国は仲介国パキスタンの首都イスラマバードで初の対面協議を行ったが、ホルムズ海峡イラン核開発などで、双方の隔たりが埋まらなかった。

 トランプ氏は停戦期間中の再協議を求め、イランが応じなければ停戦を延長せずに攻撃を再開すると明言していた。だが、土壇場で方針を一転させた。

 イランを脅せば屈服させられると本気で思っていたとすれば、完全な読み違いである。トランプ氏は事態打開のため、圧力一辺倒から交渉に軸足を移す時だ。

 一方、イラン停戦延長について「奇襲攻撃のための時間稼ぎ」と批判し、米国への不信を示している。だが、米国との軍事力の差は歴然としており、イランの継戦能力には限りがある。まずは再協議の席に着くべきだ。

 米イランの協議再開を阻んでいるのが、両国によるホルムズ海峡の封鎖である。

 イランは、海峡は自国の主権が及ぶ領海であり、タンカーなどの航行を制限できると主張している。これに対抗して米国は、イランの港に出入りする船舶を対象に事実上の海峡封鎖を始めた。

 ホルムズ海峡は、全ての船舶が事前の許可や通告なく航行できる国際海峡であり、米国もイランも勝手に管理することは国際法上、許されない。

 にもかかわらず、米海兵隊の臨検隊は、中国との間を往復していたイランの貨物船を拿捕(だほ)した。国際法上の問題に加え、イランとの偶発的な衝突に発展しかねない、危険な行為である。

 海峡封鎖の解除と航行の安全の回復は、世界経済への悪影響に歯止めをかける上でも不可欠だ。

 英仏など有志国は、海峡の安全確保に向け、艦船派遣などの任務を実施する準備を進めている。国際社会全体の課題である以上、国連による対応も急務である。中でもイランと密接な関係にある中国は必要な役割を果たすべきだ。