食べて応援!震災から15年の東北とともに歩む、「食」テーマの商品やプロジェクトが続々
2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年を迎えようとするなか、「食」をテーマに食べることで復興を支援しようとする取り組みが今年も進められている。
県産食材を味わえる販売会やフェアが目白押し
松屋銀座では2026年3月11日から17日にかけて、地下1階の食品催場で福島県の水産品が揃う「ふくしま常磐大漁市」が開催される。浜通り地域を中心とする15市町村の事業者を支援する公益社団法人福島相双復興推進機構が主催するもので、地域の事業者が出展してあんこう鍋セットやウニ味噌、「タコシウマイ」、海苔の佃煮、ちぎり揚げ、マグロの切り落としなどを販売。1000円以上購入した来場者には先着順でプチギフトも用意されているという。
また、人形町今半も11日から15日の5日間限定で「福島牛フェア」を開催。復興に向けた取り組みとして2019年に初めて実施したもので、コロナ禍の2022年を除いて毎年開催。今回は開催店舗を6店舗とし、福島牛に加えて春菊やタラの芽など福島県産の旬の食材も取り入れた特別メニューを提供する。また、精肉の販売や県産しいたけを使用した「椎茸メンチ」も販売する。
一方、ふるさと納税ポータルサイトのさとふるは3月6日に特集ページ「東日本大震災から15年」を開設。被災した13の自治体やお礼品を提供する事業者の復興に向けた歩みや集まった寄付金の活用状況、未来への思いなどとともに、各地のおすすめのお礼品として三陸産の海の幸セットやめかぶ、銀鮭切り身約1.5kg、絶品スパイスカレー食べ比べセットなどを案内している。
また、飲食事業と水産事業を手掛けるSANKO MARKETING FOODSは、受託運営する官公庁や病院などの職員食堂で3月9日から19日まで福島、宮城、岩手の食材を使用した特別メニューを展開。3県で生産される高品質の食材を使用した「まろやか会津地鶏卵の椎茸キーマカレー」や「福島なめことおとうふかまぼこのペペロンチーノ」「福島の恵みパスタ〜麗山高原豚と生きくらげ〜」、「牡蠣のクリームフライ&たこかつ」などを提供する。
運営を受託している食堂の多くは職員のみが利用できる形態だが、農林水産省とさいたま新都心の合同庁舎2号館にある「あふ食堂」と同1号館の「魚とめし」「スカイビューレストラン KEYAKI」は食事目的のみでの利用も可能。職員のランチタイムにあたる12時から13時は混雑するのでを避けることをアドバイスしている。

スシロー「東北の海を学び次世代まで守り続けるプロジェクト」
このほか、震災復興との関係は明示されていないもののスシローも3月25日から福島、宮城、岩手の東北3県限定で、地元で水揚げされた魚を、地元の小学生のアイディアをもとに商品化した特別メニューを提供。一般社団法人TOHOKU 海にいいことプロジェクトによる「東北の海を学び次世代まで守り続けるプロジェクト」の一環で、宮城県では気仙沼産の鰹、福島県ではめひかり、岩手県では宮古の真鱈を使ってそれぞれ2種類のメニューを企画した。
例えば宮城の鰹はとめかぶと合わせた「ネバネバ軍艦」や、フライドガーリックや香味野菜をあしらった握りを合計1.2万食分用意。また岩手の真鱈は漬けにして炙った真鱈にゼリーポン酢を合わせた握りと、フライにした真鱈にわかめのタルタルを乗せたメニューを設定した。
防災食・備蓄食でおいしい復興支援も

フェリシモ「みんなのBOSAI もしもしも 備蓄でお守り4 東北BOX」
さらに、フェリシモは日常的に食べてもおいしく、賞味期限内に食べながら備蓄を続ける「ローリングストック」を簡単に始められる備蓄食セットの第4弾として、東北の「んめぇ」を集めたセットを企画。第1弾、第2弾の神戸、第3弾の北陸に続くもので、東北地方の企業9社の協力のもと、野菜入りのおかゆやイワシの梅煮、缶入り盛岡冷麺、おやつにも食材にもなるフリーズドライのだだちゃ豆などをセットにした。1セット税別3500円で30円は防災基金として運用されるという。
ちなみに備蓄食関連では、宮城県に本社を置き15年前の津波で大きな被害を受けた「にしき食品」が、12年前から販売する「こどもカレー」が日本食糧新聞社による「第1回災害食アワード」の特殊栄養食品・サプリメント等部門で最優秀賞を受賞したと発表している。こちらは、6種類の国産野菜を使いつつたまご、乳、小麦、そば、えび、かに、落花生、くるみの「8大アレルゲン」は不使用として、離乳食の終わった1歳ごろからの子どもに適した商品になっているとのこと。同社は、「東北の素材」シリーズでも復興支援に取り組んでいる。
食べることは生きること、様々な想いをかみしめて

「かもめ食堂」千葉憲二さん
そして、3月11日の1日限定の特別企画として新横浜ラーメン博物館から発表されたのは、気仙沼の「かもめ食堂」本店での特別メニューの提供。かもめ食堂は1942年創業の地元で愛された人気店だったが2006年に後継者不在で閉店し、震災で店舗の跡地も被災。しかし気仙沼出身の現店主、千葉憲二さんが新横浜ラーメン博物館への期間出店の形で復活し、2015年11月に気仙沼での再出店を果たしていた。
その2025年11月に3日間限定で提供されたのが横浜のサンマーメンからヒントを得た「辛味噌サンマーメン」で、3月11日の11時から17時まで、気仙沼の本店で300食限定で提供されるという。料金は税込み900円。千葉さんは「「悲しみの記憶だけではなく、希望とともに未来へ進むために。この一杯が、誰かの心にそっと寄り添う時間になればと思います」とコメントしている。
加えて、直接「食べる」企画ではないが「福島」と「食」をテーマにしたドキュメンタリー作品「ロッコク・キッチン」も下北沢を含め全国各地で拡大上映が決定。国道6号線(「ロッコク」)を約1年間をかけて旅し、そこで出会った人々のキッチンや食卓にレンズを向けた作品で、キッチンで作られる家庭料理や食卓を囲む人々の表情などから、福島の「いま」を浮かび上がらせたという。
