冷たいひと皿が、体だけでなく、心まで整えてくれることを、私たちは経験的に知っている。

つるりと喉を通る涼麺に、かき氷が舌の上で儚く溶ける瞬間に心ほどける。“食べて涼をとる”という、夏ならではの贅沢。

この季節にこそ食したい、涼感グルメを厳選してご紹介。今回は「ひんやりスイーツ編」。


ふたつの涼スイーツを選んでくれたのは…


平岩理緒


スイーツ情報サイト「幸せのケーキ共和国」を主宰するスイーツジャーナリスト。WEBや雑誌で情報発信する他、講師や商品開発など多方面で活躍している。


1.表参道のワインバーが提案する大人のスイーツ
『EMMÉ WINE BAR』の「メロンとハーブのトロぺジェンヌ」




マスクメロンと泡。ひと夏の贅沢マリアージュ


『ゴ・エ・ミヨ』でベストパティシエ賞を受賞した経験をもつ延命寺美也さんが手掛けるスイーツを、夫・信一さんが厳選したワインやシャンパンとともに楽しむことができる。

そんな特別な時間にふさわしいのが、『EMMÉ WINE BAR』の夏限定のスペシャルなデザート「メロンとハーブのトロぺジェンヌ」(¥2,860)だ。

薔薇のように美しくあしらわれたマスクメロンをメインに、その下には自家製のブリオッシュやコアントローをきかせたバニラアイス、アーモンドが香るクランブルが入っている。周囲にはディルなどのハーブやフロマージュムース、メロンシャーベットが彩りを添える。

ディルのほかにチャービルやイタリアンパセリといったハーブも使用し、芳醇なメロンの香りを引き立てる。ブリオッシュをメロンシャーベットに浸し、ジュワッとした食感も楽しい。

繊細な甘みと香りが幾重にも重なるそのひと皿は、「見た目の美しさにとどまることなく、生産者の方々への敬意まで伝わってきます」と平岩さんも語る、まさに心に残るデザートだ。


シャルドネの酸がメロンの爽やかさによく合う


信一さんが合わせたのはシャルドネ100%のシャンパン「シャンシーラ」グラス¥2,090。

優しく細やかな酸が、みずみずしいメロンの甘さを引き立て、優雅で清涼感ある余韻を演出する。



2.コースは即完。その技と感性を夏季限定パフェで楽しむ贅沢
『PAYSAGE 代官山本店』の「クープミニョン〜ペッシュ〜」



まずトップの桃のコンフィチュールとソルベをひと口。生の桃を食べているかと思うほどのジューシーさと甘みが口にひんやりと広がる。〆はエルダーフラワーのジュレで爽やかに

小さなグラスに咲く、夏の桃景色にときめく


「小ぶりなパフェに、旬の桃を中心としたさまざまなパーツがぎゅっと詰め込まれている、充実の内容で満足感大です」と平岩さんがいう『PAYSAGE 代官山本店』の「クープミニョン〜ペッシュ〜」¥2,310。

月替わりのパフェの中でも特に人気で、桃のコンフィチュール、桃のグラニテ、桃のコンポートなど、ひと口ごとに桃の甘さが広がる桃尽くしの逸品だ。

この精巧なパフェを生み出したのは、『SUGALABO』や『unis』などの有名店でシェフパティシエを務めてきた『PAYSAGE 代官山本店』の江藤英樹さん。同店は、お客様が大切な人との素敵な思い出を呼び起こせるようにと、フランス語で「風景」を意味する店名を掲げた。

2階で楽しめる予約限定のパフェやデザートのコースは予約枠が瞬時に埋まるほど人気だが、1階はウォークインで、暑い夏にふらりとひんやりしたスイーツを求めて立ち寄れるのが嬉しい。


大人のためのスイーツに合わせたいオリジナルティー


江藤さんがイギリスに住んでいたころの風景や思い出をイメージした、オリジナルティーの「ガーデン」¥900。

ラズベリーの香りが上品に漂い、パフェと見事に調和する味わい。



ふたつの涼スイーツを選んでくれたのは…


chico


雑誌のスイーツページの企画や監修、執筆を数多く手掛けるスイーツライター。活動は多岐にわたり、ECショップの商品監修も精力的に取り組んでいる。


3.うっとりするほど優雅なスイーツで非日常にトリップ
『ピエール・エルメ・パリ Heaven』の「クープ グラッセ イスパハン」



ローズやライチが香り立つ、艶やかで華やかな「クープ グラッセ イスパハン」¥2,880。甘酸っぱく、爽やかな後味が、大人を魅了する華やかなデセール

ひと口ごとに深まるバラやライチの誘惑


モードな空気が漂う『ピエール・エルメ・パリ Heaven』の店内で、大人の甘美なひとときを約束してくれるスイーツが「クープ グラッセ イスパハン」だ。

こちらは、ピエール・エルメ氏の代表作バラとライチとフランボワーズを掛け合わせたフレーバー“イスパハン”をパフェのように仕立てたもの。ライチとローズの香りをまとったソルベ、フランボワーズの酸味、マカロンローズの柔らかな食感。

「ひとすくい口にすると、甘酸っぱさ、華やかな果実味、心地良い香りがひんやりと溶け広がり最高に優雅」とchicoさんがいうように、口に運ぶたび、香り・甘さ・酸味が重なり、まるで香りに包まれるような余韻が広がる。

“味の建築家”と称されるエルメ氏が手掛けるこのスイーツは五感で楽しむ、まさにひと皿のアート。ブティックの2階でいただけば、ほんの少し日常から離れ、特別な時間に身を委ねたくなる。


“イスパハン”の世界観をマカロンでも堪能できる


「マカロン6個詰め合わせ」¥3,132。

人気のイスパハンのほか、この夏、日本に初めて登場した「アンフィニマン フイユ ド トマト」など夏らしいフレーバーも見逃せない。



4.夏の銀座で、大人がひと息つく甘く涼しい場所
『和光アネックス ティーサロン』の「SHIKI パフェ ―NATSU―」



「SHIKI パフェ ―NATSU―」¥3,740。グラスのトップには、マンゴーとオレンジのパウダーで描かれた鮮やかなひまわりが咲く。目にも美しい、夏の涼菓

チョコレートのコクとフルーツの爽やかさが交差する


銀座4丁目交差点に立つ、時計塔でおなじみの「和光」。その並びの和光アネックスに、ひとときの涼を求めて足を運びたくなるスポット『和光アネックス ティーサロン』がある。

ここで味わえるのは、ショコラトリーが手掛ける繊細で美しいチョコレートパフェ。今年3月からは、四季折々のフルーツを組み合わせた限定パフェシリーズが登場した。

8月31日までの「SHIKI パフェ ―NATSU―」は、ホワイトチョコレートをベースに、マンゴーやライム風味のメレンゲ、カカオパルプのソルベなどを重ねた爽快なひと品。

「すっきり系のホワイトチョコアイスに、甘酸っぱく香りトロピカルフルーツが満載で、夏に味わいたい逸品」(chicoさん)と、チョコレートの奥深さを感じつつ、ひと口ごとに表情を変える味わいに、心もほどける。

銀座散策の合間に立ち寄りたい、夏限定のご褒美だ。


手土産に最適な期間限定ショコラも外せない


1階のショップで購入できる、ココナッツとライムの風味が爽やかな「ココシトロンヴェール」と、マンゴーのガナッシュなどが入った「マンゴーパッション」(各1粒¥648)もこの夏限定。


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