(写真左上から時計回りに)橋本聖子、蓮舫、山本太郎、森下千里、今井絵理子、須藤元気

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 衆議院総選挙に向けて、与野党が熱戦を繰り広げている。1000人を超す候補者の中には、票集めのために擁立された“タレント議員”がいる。だが、人気どころか、党のイメージを悪くしている人もいるようで……。週刊女性は全国の有権者女性3000人にネットアンケートを実施。好きな・嫌いなタレント議員を大調査!!

【写真】1位〜10位までイッキ見! 好きな/嫌いなタレント議員のランキング表

客寄せパンダとして当選したあげくの不倫報道

 女性たちに選ばれた『嫌いなタレント議員』ダントツの1位は元SPEEDの今井絵理子。圧巻の767票を獲得。

「もともと政治の知識もなく議員になれる器でもなかった。にもかかわらず、客寄せパンダとして当選させてもらったあげくに不倫報道。税金の無駄よ」(36歳大阪・パート)、「きちんと仕事をしているかが伝わってこない。SPEED時代の歌唱力やダンスの記憶と比較すると、残念な気持ちになる」(30歳岐阜・サービス業)

 '16年に参議院選挙に出馬した今井。国民的グループのメンバーでありながら、シングルマザーとして聴覚障がいのある長男を抱え、働く姿が支持を集め初当選。きっと国をよくしてくれる──。そう思った人もいたはずだけど、'17年7月に神戸市議会議員との不倫疑惑が報じられたのだ。

 出会いはさまざまかもしれないが、この報道にガッカリした人が多いよう。一方『好きなタレント議員』ランキングでは213票で5位に。

「SPEEDのときから好きです。以前にお子さんとレストランにいるのを見かけました。子育てを頑張っていて応援したい」(34歳新潟・専業主婦)、「私の子どもも障がいがあるので、実際に障がいのあるお子さんを持つ今井さんなら理解してもらいやすそう。それが医療福祉政策へ反映されると願いたい」(38歳宮城・医療福祉関係)

 ほかにもファンだからとの声が多数を占めた。まだまだ全国のSPEEDファンは見捨てていない。襟を正し、しっかりと国政に取り組んで。

仕分けの女王も息子にはデレデレ

『好きな議員』で645票を獲得し、1位になったのは『立憲民主党』の蓮舫だ。

「タレント時代の印象は悪かったが、意外にも、きちんと勉強していることがわかり、強い意志を感じた」(58歳東京・経営者)、「元キャスターということもあり、的確な発言をしているから。ズバッと言ってくれてスッキリします」(18歳石川・学生)

 青山学院大学在学中に芸能界デビューした蓮舫。情報番組や報道番組でメインキャスターを務めた。私生活では'93年に結婚し、'97年には男女の双子を出産している。

 '04年に行われた参議院選に出馬し、初当選を果たした。国会では厳しい言葉で与党を追及しているが、母親としては24歳の長男を溺愛。

「息子さんはアイドルグループで活動をしているのですが、テレビ出演は録画して全部見ているそう。ドラマ出演をしたら撮影現場に駆けつけて挨拶したこともあったそうです」(スポーツ紙記者)

 優しい母親としての一面もあるけれど、男性中心の政界で戦う姿にほれぼれする人が多いよう。ただ『嫌いな議員』でも3位にランクイン。

「大嫌いです。いつも怒鳴り散らすだけのイメージ」(47歳神奈川・専業主婦)、「2位じゃだめなんですか!って、事業仕分けのときに言っていたが、誰でも1位は取りたいでしょ」(43歳香川・その他)

 強い発言はときにヒステリックにも見られてしまう!? 昨年には長年連れ添ったジャーナリストの夫と離婚。子どもたちも手が離れ、政権獲得に邁進していく覚悟なのかも。今後の政治活動に期待したい。

過激なパフォーマンスで注目

『嫌いな議員』2位は元俳優の山本太郎。391票を獲得。

「俳優時代はすごく好きでした。でも、政治家となってからは正義感が強いのはわかるけど、的はずれなことばかり言っている」(30歳秋田・製造業)、「知識がないのに政治家をやらないで。感情論に訴えかけるばかりで、見るのも聞くのも不快。重度障がい者を議員にしたのもどうなのか。その人たちが安心して暮らせるようにするのが仕事では?」(33歳東京・無職)

 山本は人気番組だった『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の企画『ダンス甲子園』への出演をキッカケに、芸能界デビュー。映画だけでなくNHK大河ドラマにも出演し、売れっ子に。

 そんな山本の転機は'11年3月の東日本大震災だった。反原発を掲げ、政府の対応を痛烈に批判。芸能事務所を退社し、'12年には衆院選で出馬するも落選。'13年の参院選で初当選を果たす。

「小沢一郎氏と自由党の共同代表を務め、'19年には新政党『れいわ新選組』を立ち上げた。国会投票での牛歩戦術などの過激なパフォーマンスや発言で支持を集めました。'19年の参院選では重度身体障がい者のふたりが当選しましたが、自身は落選。国会でのパフォーマンスもできず、発信力を失っていきました」(全国紙政治部記者)

『好きな議員』では、3位にランクイン。

「いつどんなときも頑張っていて、元気パワーが伝わってくる! 少々ムチャな公約もあるが、これくらい元気ややる気が伝わる政治家もいてほしいです!」(49歳大阪・金融関係)、「はっきりした物言いができ、明確なビジョンを持っている。どの政治家よりも庶民に寄り添った政策発信をしている」(35歳兵庫・サービス業)

 今回は比例区からの出馬を表明。国政へ返り咲けるか!?

なかなか消えない過去の汚点

『好きな議員』2位には、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長。

「森さんから引き継いだ会長を、きちんとやり遂げた。 女性であることを利用しないし、女性ということを主張しない。本当の意味で男女平等なイメージがある」(48歳東京・専業主婦)、「やはりオリンピックの役員をやりきったから。異例ずくめで大変であったと思いますが、橋本さんに代わったときは安心できました。政治家としても橋本さんならいい成果を出してくれる気がします」(48歳東京・広告業)

 今年の東京五輪では森喜朗の会長辞任だけでなく、開会式の作曲担当も辞任。開会式のショーディレクターも解任された。新型コロナウイルスの感染者数も増加の一途をたどる中、なんとか開催にこぎつけ、無事終わらせた橋本の手腕に評価が集まる結果となった。『嫌いな議員』では9位にランクイン。

「高橋大輔選手を応援しているので、今でも虫唾が走る」(42歳京都・自営業)、「セクハラ行為をしていながら、何のお咎めもなしにのうのうとオリンピックの会長をして人前に立っているから」(36歳神奈川・サービス業)

 との声が。これは橋本がソチ五輪の選手団団長を務め、'14年2月に行われた五輪閉会式後のパーティーで、起こしたある事件に起因する。フィギュアスケートの高橋大輔に嫌がったにもかかわらず、何度もキスをしていたことが発覚。セクハラ疑惑が報じられたのだ。

 混迷極めた東京五輪でポイントを上げたが、過去の汚点はなかなか消えない……。

元グラドルの現役大学生がランクイン

『嫌いな議員』で4位に入ったのは『れいわ新選組』から初出馬する元グラビアアイドルの八幡愛だ。

「やはり政策的な部分に不安があるのと、これからはジェンダーレスの世の中なのに女性を武器にした仕事をされていた経緯はいかがなものか」(54歳神奈川・サービス業)、「ネットで彼女を調べたが、なぜ政治家になりたいのかいまいちわからない」(37歳神奈川・サービス業)

 厳しい声が並ぶが、そもそもどんな人物なのか?

 八幡は高校卒業後にグラビアアイドルとして活動をスタート。人気バラエティー番組にも出演した過去を持つ。今は早稲田大学の通信制コースに通う現役大学生でもある八幡。クレジットカード会社から金利18%で借り入れをして、学費を支払っているという。そんな彼女だからこそ“教育の完全無償化”の政策を掲げる。

 ただ、アンケートでは元グラドルという肩書で評価を落としているようだ……。八幡は東京スポーツ新聞の取材にこう語っている。

《グラビア時代のものも「消した方がいいよ」なんて言われますけど、消しようがないし、当時の自分が間違ったことをしていたわけでもない》

 強い意志があれば、国政を担っていけるか? お手並み拝見!!

“ロスジェネ世代”代表だったが

『好きな議員』4位は元格闘家の須藤元気。現職の参議院議員だ。

「タレント時代も多才でいろいろな分野に目を向けていた印象があるので、広い視野で物事を考えることができそうで期待感がある」(36歳沖縄・金融関係)、「さまざまな分野に挑戦する姿が、政治家としても軽快なフットワークで改革に取り組んでくれそうだから」(32歳東京・教育関係)

 格闘家として『K-1』などに出場し、バックハンドブローなど多彩な攻撃方法で人気を集めた須藤。格闘家を引退後は、パフォーマンス集団立ち上げなど、さまざまな場で活躍。その後、'19年の参議院選挙に『立憲民主党』から出馬し、初当選。

 そんな須藤だが、'20年に行われた東京都知事選で、出馬した山本太郎を支持することを表明。これに宇都宮健児を支持する立憲民主党と意見が対立。経済政策の面でも食い違いがあるとして、離党を決断。バブル崩壊を機に景気低迷した時期に社会に出た“ロストジェネレーション世代”の須藤は、離党会見で、

「政治の失敗で僕らが犠牲になってるじゃないですか」

 と涙ながらに“ロスジェネ世代”の苦しみについて訴えた。『嫌いな議員』ではランク外だが、こんな声も。

「須藤さんは比例区からの出馬当選なのだから、議員辞職するのが筋なのでは……」(前出・政治部記者)

 “ロスジェネ”代表として、きっとやり残したことがあるのだろう。

縁もゆかりもない地方で出馬する不思議

『嫌いな議員』5位には森下千里。衆院選で自民党の公認候補として出馬することが今年3月に決まった。

「なぜ何の実績もない、縁もゆかりもない地方で出馬するのか不思議です」(46歳宮城・専業主婦)

 確かに森下の地元は名古屋市だけど、出馬するのは宮城5区から。東日本大震災時には、彼女の選挙区内である石巻市でカレーの炊き出しをしたことがあるだけみたい……結果はいかに!? 

 タレントといえども、議員になったからには、しっかり仕事をしてほしい!!

※調査は全国の18〜70歳の有権者女性3000人にネットアンケートを実施。元タレントだと思う現職の議員および衆院選に出馬する候補者を編集部で挙げて、『好きな議員』『嫌いな議員』をそれぞれ選んでもらい、その理由も回答してもらった