新たな燃費基準“油田から車輪まで”。未熟なEV、HVに再脚光
W2Wは自動車の走行時だけでなく、ガソリンや電気がつくられる工程も含めて燃費を評価する。EVは走行時のCO2排出量はゼロだが、石炭火力で発電した電気で走ればトータルでCO2排出量はゼロとはいえない。
W2Wの考え方では、EVがエコかどうかは1次エネルギーの構成に左右される。火力発電への依存度が高い中国やインドでは、HVの方がCO2排出量が少ない。やみくもにEVを増やせば、発電所のCO2排出量の増大化につながりかねない。
16年に発効した温暖化対策の国際ルール「パリ協定」では、産業革命前からの地球の気温上昇を2度C未満に抑えるという目標を定めた。世界のCO2排出量のうち輸送分野は2割を占めており責任は大きく、EVへの期待が高まった。
EV、有力解も…「未熟」
ただEVは「自動車としてまだ未熟」と愛知工業大学教授でPwCあらた顧問の藤村俊夫氏は指摘する。電池のエネルギー密度がまだ不十分であり、現時点では航続距離を伸ばすために大量の電池を積む必要がある。それでもガソリン車に比べ航続距離で劣る上に車両価格は高い。
7月初旬、日本自動車部品工業会の岡野教忠会長はインドを訪れた。インド自動車部品工業会の元会長と懇談し、日本の新燃費基準について説明したところ、「賛同いただいた」と明かす。インド政府は30年までに新車販売をすべてEVにする方針を示したが、その後、事実上撤回した。政策の揺れを経験しただけに「インドの自動車産業界は、現実路線で問題解決を目指す日本の方針に共感したのではないか」(岡野会長)と話す。
