韓国環境団体「WTO提訴やめて」「放射能で秋夕が不安だ」

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日本のお月見にあたる中秋節(旧暦8月15日)に、韓国では「秋夕」(チュソク)と呼ばれる祭りが行われる。お盆休みのように連休になるので、帰省したり、家族で旅行をしたりと過ごし方はさまざまだが、多くの家庭では茶礼(チャレ)というものを行う。ご先祖様をお迎えするために行われる祭礼で、祭壇には20種類を超えるほどの溢れんばかりの食材を供える。

だが、今年は祭壇に必ずと言っていいほど登場するイシモチやタラが、姿を消しているという。放射能汚染を懸念する消費者が、買い控えているためだ。当然、販売店の売り上げは低迷している。

韓国政府は、自国民の不安を払拭するため、6日に日本産水産物の輸入規制を強化することを明らかにした。福島県など8県からの輸入を、9日から全面的に禁止するというものだ。だが、日本は強く反発し、規制を撤回するよう要請。禁輸は不当だとして、世界貿易機構(WTO)に提訴することを発表した。

このような動きを受けて、韓国の環境団体は17日、ソウルの在韓日本大使館前で日本に抗議する「秋夕」パフォーマンスを行った。大使館前に小さな祭壇を設け、そこに原子力マークが付いた魚の写真を並べた。茶礼を行う人たちは、白い防護服姿で、顔にはマスクを装着。

環境団体のメンバーらは、「放射能に汚染された水産物のせいで秋夕の茶礼が不安だ」「日本は、韓国の水産物輸入制限措置に対するWTO提訴を中断すべきだ」などと訴えた。

・参照:ソウル新聞

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