民主党の仙谷由人政調会長代行が10月上旬に中国を訪問し、戴秉国国務委員と会談する。年内に予定されている野田佳彦首相の訪中の準備の意味合いがあるとみられる。中国網日本語版(チャイナネット)は28日、「野田首相訪中の地ならしか」と報じた。

◇領土問題と戦略的互恵に注目

 共同通信社によると、仙谷氏と福山哲郎・参議院外交防衛委員長が訪中日程について、中国側と最終調整を行っている。10月8日と9日に長沙の湖南大学で行われる辛亥革命百周年の学術シンポジウムに参加し、10月9日午後に北京で戴秉国国務委員と会談する予定だ。年内に予定されている野田佳彦首相の訪中の準備の意味合いがあるとみられる。

 上海交通大学環太平洋研究センターの王少普主任は取材に対し、野田氏訪中時の主な議題は日中両国の戦略的互恵関係をいかに発展させるかに集中するとだろうと話す。例えば、新しい環境の下での経済協力をいかに強化するか、環境・クリーンエネルギーなどの方面での協力、人文・社会交流強化のほか、日中両国に横たわる領土問題をいかに正確に処理するか、東シナ海の境界問題も焦点となるという。

◇対中政策、現実的利益を考慮

 野田首相は国際舞台に登場後、オバマ米大統領、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と相次いで会談し、外交政策の核心は日米同盟で、「北東アジアの安全を守るうえで、日米韓の3カ国協力が極めて重要」と述べた。一部メディアは、野田内閣の外交構想について、日米関係を固め、韓国の力を重視すると同時に、中国の発展に「密に注目」すると伝えている。

 これについて王氏は、野田氏は政治上は保守主義の立場を維持しているが、対中政策は現実的な利益を考えざるを得ないと指摘する。現在の国際関係は冷戦時代より複雑で、米日韓は中国と経済的に、またほかの方面でも程度は異なるものの共通の利益が存在し、米日韓3カ国の間にもさまざまな問題が存在するため、3カ国が中国と完全な対抗関係になるのは難しい。

◇構造的な矛盾拡大

 ある情報筋によると、日本の海上保安庁は「准空母」または「ヘリコプター搭載空母」とみられる排水量2.4万トンの「ヘリ搭載駆逐艦」を2隻建造する計画だという。これは拡大を続ける中国の軍事力に向けた日本の対応策だという見方がある。

 これについて王氏は、日本は中国の急成長に対する正しい認識が欠如しており、「安全保障面で中国を正視」できていないと指摘。それは中国に対する防衛強化、中国脅威論の散布だけでなく、南シナ海など地域的な問題への介入でもみられると注意を促した。経済的な依存関係を深める一方、海上権益と領土をめぐる争いから日本は安全保障問題では中国に対する防衛を強化しており、双方の構造的な矛盾は拡大している。野田内閣にとっては、中国との関係をいかに修復するかが大きな外交課題となる。(編集担当:米原裕子)