『グーニーズ』はなぜ40年以上も愛され続けるのか 貴重な“神吹替版”にも注目
6月5日の日本テレビ系『金曜ロードショー』にて放送される『グーニーズ』は、1985年に公開された世界的大ヒット映画。子どもたちが大冒険を繰り広げるアドベンチャー映画の金字塔として、その魅力が長きにわたって語り継がれている不朽の名作だ。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、リチャード・ドナーが監督を、クリス・コロンバスが脚本を担当した。
参考:『グーニーズ』が『金曜ロードショー』で6月5日に放送 野沢雅子ら参加のTBS吹替版で
長年、続編を熱望する声が後を絶たない、根強い人気作としても知られており、リアルタイム世代だけではなく、老若男女問わずファンを増やし続けている『グーニーズ』。これまで続編が作られなかったのは、「オリジナル版の完成度や価値を壊したくない」というスタッフ・キャストの想いが強かったためと言われている。続編に相応しい、納得のいくストーリーが生まれなかったことや、キャストの引退、ドナー監督の逝去なども理由に挙げられる。
何度か続編の話題が上りつつも、実現しないまま40年もの月日が流れたが、2025年2月、ついに『グーニーズ2(仮題)』の制作が正式に発表された。スピルバーグとコロンバスが再集結するというので、非常に楽しみだ。改めて『グーニーズ』のあらすじと、魅力や見どころを振り返ってみよう。
田舎町の「グーン・ドックス」で暮らす、いたずら好きのマイキー(ショーン・アスティン)、お調子者のマウス(コリー・フェルドマン)、食いしん坊で出まかせばかり言っているチャンク(ジェフ・コーエン)、発明好きのデータ(キー・ホイ・クァン)は、いつも一緒にいる仲間たち。彼らは“グーニーズ”と名乗り、固い絆で結ばれていたが、強欲な宅地開発業者の立ち退き警告によって、解散の危機に陥っていた。
そんな中、マイキーは屋根裏部屋で“伝説の大海賊”「片目のウィリー」が残した宝の地図を発見。財宝を手に入れれば立ち退かなくて済むと考えたマイキーは、グーニーズの仲間たちと共に、宝の眠る岬のレストランを目指すことに。ところが、そこは凶悪な逃亡犯のフラテリー家の隠れアジトだったため、グーニーズに危険が迫る。マイキーの兄・ブランド(ジョシュ・ブローリン)や、彼が好きな同級生のアンディ(ケリー・グリーン)、彼女の友達のステファニー(マーサ・プリンプトン)も巻き込んで、グーニーズは大冒険を繰り広げるが……。
レストランには地下の部屋があり、フラテリー家の末っ子・スロース(ジョン・マツザック)が閉じ込められていたり、死体が隠されていたりなど、子どもが思わず怯えてしまうような驚きの要素が次々と登場。恐怖を感じつつも、グーニーズが悪人に立ち向かう様子は、コロンバスが監督を務めた『ホーム・アローン』シリーズ(1990年~)を彷彿とさせる。また、床が崩落したり、巨大な岩が転がり落ちてきたり、大量のコウモリが現れたりといった、数々のトラップと遭遇する場面は、スピルバーグ監督の『インディ・ジョーンズ』シリーズ(1981年~)のキッズ版のようだ。ユーモアも散りばめられていて、主題歌「グーニーズはグッド・イナフ」を、劇中のテレビの映像の中で、シンディ・ローパー本人が歌っているのもユニーク。
グーニーズの面々は、それぞれ個性的でタイプが違う少年たちというのも面白い。危険が待ち受けていると分かっていても、全力で突き進むマイキーには、兄のブランドも振り回されてばかり。子どもなのに、ちょっとクールに振る舞おうとするマウスは、年上のステファニーと度々言い争いになる。嘘ばっかりついていて、食い意地が張っているけれど、誰よりも仲間想いのチャンクは、終盤で重要な役割を担うことに。そして、データの発明は役に立たないと思われているが、いざという時に大活躍するし、彼のポジティブな性格は、観ていて応援したくなる。そんなグーニーズの奮闘はスリル満点で、何度観てもドキドキワクワクできるので、鑑賞する度に長年愛されている傑作だと実感する。
当時、少年だったキャストたちは、その後、数々の映画に出演している。実は、映画ファンにとって、たまらない顔ぶれが集結していたのだ。マイキー役のアスティンは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作(2001~2003年)のサム役を演じて世界的な有名俳優に。ブランド役のブローリンは、『アベンジャーズ』シリーズに2015年から登場した最凶ヴィラン・サノスに扮したり、『DUNE/デューン 砂の惑星』シリーズ(2021年~)に出演したりなど、名優として知られている。マウス役のフェルドマンは、『グーニーズ』の翌年、1986年の名作映画『スタンド・バイ・ミー』に出演。チャンク役のコーエンは、子役として活動した後に引退して弁護士となったが、データ役のクァンは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。
オスカー俳優の仲間入りをしたクァンは、『グーニーズ』の前年に、スピルバーグ監督の『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)にも出演しており、当時は日本の映画雑誌でアイドル並みのスターとして紹介されていた。『エブリシング~』で彼を知った人には、ぜひこの機会に『グーニーズ』でデータを愛らしく演じているクァンを観て、子役時代の彼の好演も知ってもらえたら何よりだ。
今回、『金曜ロードショー』でオンエアされる『グーニーズ』は、野沢雅子、藤田淑子、古谷徹、坂本千夏、富沢美智恵、菅谷政子、岡本麻弥、遠藤晴、納谷六朗、徳丸完、郷里大輔らレジェンド声優陣が参加した、“神バージョン”と呼ばれる「TBS版吹き替え」での放送となっている。これは配信では視聴できない貴重な吹替版で、レジェンドならではの高い演技力がグーニーズたちの個性を際立たせ、瑞々しい子どもたちの冒険に、より没入させてくれる。必見の吹替版なので、ぜひチェックしてみてほしい。
続編の公開時期は未定だが、2026年後半から2027年に制作されるのではないかと噂されている。スピルバーグとコロンバスがこだわりを持って監修しているので、ファンを裏切らない完成度が期待される。これまで、クァンは続編の実現やかつての役での再登板を熱望しており、アスティン、フェルドマン、ブローリンも続編を前向きに捉えている模様。キッズ・アドベンチャー映画の金字塔の魅力を継承するには、どのようなストーリーの続編となるのか。マイキーたちが親になり、その子ども世代の物語になるとの予想が濃厚のようだが、今は『グーニーズ』を「TBS版吹き替え」で楽しみつつ、続報を待ちたい。(文=清水久美子)
