急増中「孤独死保険」の補償内容 「お風呂で亡くなったケースで700万円以上の支出になることも」
700万円以上の支出
厚生労働省によると、高齢者の単独世帯は今や903万世帯と過去最多となっている(令和6年調査)。そんな世相と歩調を合わせるように伸びているのが「孤独死保険」だ。
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一般に、高齢の単身者になると、民間の賃貸住宅は借りにくくなる。高齢者の4人に1人が賃貸住宅への入居を断られた経験がある、とのデータもある。一人住まいだと、火災を起こしたり、孤独死したりするリスクが高まるからだ。孤独死に関しては、政府の推計によると1年間で2万2000人にも上る。
どんなリスクをカバーしてくれる保険なのだろうか。孤独死保険を扱っている保険会社が加盟する日本少額短期保険協会によると、孤独死が発見されるまでの平均日数は約19日。賃貸アパートなどの場合、特殊清掃会社が部屋に入って後始末をするのだが、夏場だと臭いが壁に染み付いたり、遺体の体液が床に染み込んでしまうことも。大家が負担する金額は平均で112万円に上るという。

特殊清掃会社の関係者によると、
「例えば、お風呂で亡くなられて日数がたってしまうと、体が溶け出して排水管にまで臭いが染み付いてしまうことがあります。そうしたケースでは、700万円以上の支出になることもあるのです。もちろん、その間は、家賃も入ってきません」
月額数百円
孤独死保険は、こうした「原状回復」や遺品整理、場合によっては家賃まで補償するというもので、先の日本少額短期保険協会によれば、支払い実績は、10年間で4倍にも増えている。2025年3月時点で、1年間の支払い実績は2220件に上った。
「いわゆる孤独死保険は当協会の加盟社が2010年に初めて販売をスタートしていますが、国も孤独・孤立対策を推進していることで近年、注目されるようになりました。現状では大家さんがアパートなどを運営する際に加入する“大家型”と、入居者が契約の際に加入する“入居者型”に分けられますが、圧倒的に多いのが入居者型です」(広報担当者)
保険料は、大家型だと1部屋当たり月額数百円。入居者型は2年間で2万円程度だという。
最近では大手損保会社も孤独死保険に参入してきている。あいおいニッセイ同和損害保険では、4年前、自治体向けの孤独死保険を発売。名古屋市が契約し、高齢者のために保険料を支払うという事業を開始したのだ。こちらは入居者が亡くなった後の“おはらい”のサービスまで付いている。
独居の高齢者はこれからも増える。孤独死保険が当たり前の時代になるのかもしれない。
「週刊新潮」2026年5月28日号 掲載
