阪神・伏見寅威 打っては元相棒から“史上初の一撃” 守っては移籍後初の盗塁阻止
◇交流戦 阪神0―4日本ハム(2026年5月26日 甲子園)
古巣相手に“史上初の一撃”を放った。阪神・伏見が古巣・日本ハム戦に「8番・捕手」で先発出場。前年に最優秀バッテリー賞をともに受賞した伊藤から意地の内野安打を放った。
「意識しなかったかって言ったら、それはうそになっちゃうんですけど。でも意外と自然な感じで入れたというふうに思いますね」
いつも通り冷静に打席へ向かい、チャンスをものにした。3回1死無走者。伊藤の150キロ低め直球にうまく反応して遊撃への内野安打をマークし、この日のチーム初安打をもぎ取った。それでも、「そんな、相手がどうこうとかも言ってられない。自分的には打席に立てば、自分の成績をもっともっと上げていかなきゃいけない」と足元を見つめた。
守っても、同学年の西勇を懸命にリードし粘りの投球を引き出した。3回1死一塁では二盗を企図した水野を刺し、移籍後初の盗塁阻止。6回にはレイエスにソロを献上したものの、「西(勇)の仕事はしてくれたって感じですね」と、ねぎらいの言葉をかけた。
元相棒からの貴重な一打は、“史上初の一撃”となった。日本ハム時代の昨季、「プロ野球最優秀バッテリー賞」を伊藤とともに初受賞した。おそろいの水色のネクタイを身につけ表彰式に登壇し、伏見は「二人で賞も獲れて約束を果たせて、本当にうれしく思います」と喜びをかみしめていた。あれから半年。18・44メートルを挟んで対峙(たいじ)し「H」ランプをともした。
昨季も24年に最優秀バッテリー賞を受賞したソフトバンク・有原と巨人・甲斐の対戦があったものの、甲斐は無安打に終わった。前年の最優秀バッテリー賞コンビが翌年に対戦し、捕手が投手から安打を放つのは、レギュラーシーズンでは史上初となった。
「また、明日は勝てるようにやっていきます」。次こそ勝利をつかむため、その視線は次戦を見据えていた。(山手 あかり)
