ガルガンチュア音楽祭は28日から開幕! オープニングコンサートで披露されるパイプオルガンに込めた想いと音楽で笑顔を届けるために被災後も参加するホルン奏者を取材

北陸の初夏を彩るクラシック音楽の祭典「ガルガンチュア音楽祭」。28日から1週間、各地で多彩な公演が予定されています。
本公演を目前に控え、改修が行われたばかりの注目のパイプオルガンや能登から奏でる復興への想いなどを取材しました。
28日からガルガンチュア音楽祭開幕! 10周年を飾る今年のテーマはゴールデンウィークの恒例となった音楽の祭典「ガルガンチュア音楽祭」。
「風と緑の楽都音楽祭」から数え、今年で10周年となります。節目となる今年のテーマは「あなたが選ぶ10大作曲家」。
ベートーヴェンやショパンなどアンケートで選ばれた10人の作曲家の名曲を世界で活躍する著名なアーティストが演奏、多彩なステージを繰り広げます。
ガルガンチュア音楽祭 表正人業務執行委員「10周年にちなんで10大作曲家。アンケートでは1位がベートーヴェン、2位がモーツァルト。みなさんこの10人の作曲家で今年の音楽祭楽しんでもらえたら」
「連携して新たな魅力を創出」市民オーケストラ協会石川を設立後初の演奏 能登町から参加する女性の想いとは26日に開かれた「市民オーケストラの祭典」。演奏したのは市民の有志で立ち上げた「市民オーケストラ協会石川」です。
ガルガンチュア音楽祭 表正人業務執行委員「いろんなオーケストラがとにかく連携してタッグを組んで、みんなそれぞれの魅力がありますから、連携しながら新たな魅力をみんなで生み出していく」
ホルン奏者の須磨美千代さんは石川県能登町の柳田地区に暮らし、地元の楽団「オルビスNOTO」に所属しています。
須磨美千代さん「オルビスNOTO自体小さな団体なのでいろんな大きい団体で吹くことがあんまりないのですごい楽しい」
2024年の能登半島地震で柳田の自宅は準半壊となり、天井ははがれ家財も散乱しました。練習場所が減ったことで、演奏する機会も次第に減っていったといいます。
須磨美千代さん「当時奥能登のホールとかが全部なくなって中学校の体育館とかそういうところで練習していた」「音楽祭には参加しなくてもよかったがやっぱり自分自身、気がうつうつっとして何か他にもやれることがないかというので市民オーケストラは毎年やっているし楽しいからちょっとでもみなさんといっしょにできたらと思って」
特別な思いを持って臨む今回も音楽祭に臨みます。リハーサルではオーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーから直接アドバイスを受ける場面もありました。
須磨美千代さん「音がホルンは外れるのでそこを当たるようにOEKの先生に教えてもらっていた。全然緊張しているので明日ちゃんと楽しめるようにもう少し練習したい」
「みんなが音楽を聴いて笑顔になって元気になってくれたら」被災地から届けられる想いをホルンに乗せて迎えた本番。アンケートで3位に選ばれたチャイコフスキーの「眠りの森の美女」が演奏されました。
訪れた人「中々素晴らしい。迫力もある」「自分の知ってる曲が多かったので楽しめました」「CDとかスマホで聴くのではなく生の演奏はやっぱり違うなと思って迫力があって楽しめました」
須磨美千代さん「出し切りました。練習した分ちょっと失敗したところはあったけどちゃんとうまくできたのでよかった。みなさんが音楽を聴いて笑顔になって元気になってくれたらと思う。いろいろと悩むことはあるんですけど続けれるようなら続けたい」
約4か月の大改修を終え25年前の音色が蘇った石川県立音楽堂のパイプオルガンの響きとは国内でも最大級の大きさを誇る県立音楽堂のパイプオルガン。
およそ4か月にも及ぶ大改修を今年3月に終え、25年前の音色が戻ってきました。
オルガニスト 黒瀬恵さん「今まではパイプの中にほこりが入ったりとか地震の影響でパイプに歪みが出来てしまって音が鳴りにくい状態だったんですけどそれが全部なくなったので音がクリアになってよく鳴るようになった」
オルガニストの黒瀬恵さんは、音楽堂が出来た25年前からこのパイプオルガンを弾き続けています。
「料理を出しているような感覚」5000種類以上の音色を操り演奏を届けるために最終調整へ鍵盤のわきにずらりと並ぶのはストップと呼ばれるつまみ。
オルガニストはこのつまみで音を調節しながら、5000種類以上の音を操ります。
オルガニスト 黒瀬恵さん「楽譜がレシピだとしたらこのストップが具材。いろんなものを引っ張ってああでもないこうでもないって料理している感じ。それで演奏会でみなさんにどうぞってしているお料理食べてくださいって。だから見てたら冷蔵庫に見えてくるでしょ」
音楽祭を目前に控えた4月23日に黒瀬さんは「最終調整」のためオルガンと向き合っていました。
気温や湿度など些細な変化でも響きが変わるというパイプオルガン。会場の作りによっても音の届き方が変わるため、実際に客席に降りて録音した音を流し、響きを確認します。
オルガニスト 黒瀬恵さん「下で聴くとやっぱり反響板が降りてるからバランスが悪く聴こえてしまう。1階席で聴いてもバランスがいいように音を組み替えようかなと思う。今は高い音が出るストップを足して下で聴いてもバランスよく聴こえるようにした。これは25年勘というか経験」
長年の経験に裏打ちされたプロの技で復活の音色を届けます。
オルガニスト 黒瀬恵さん「25年前の響きに戻ったオルガンをまた改めて聴いていただけるのはうれしいことですしみなさんの心に響く演奏にしたい」
ガルガンチュア音楽祭は5月5日まで開かれます。
