「鼻から胃カメラ」のメリット・デメリットはご存じですか?医師が解説!

経鼻内視鏡検査の利点と欠点とは?メディカルドック監修医が、嘔吐反射の少なさや会話の可否、鼻血のリスク、検査を楽に受けるためのコツについて詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「鼻から胃カメラ」はつらい?検査できない人の特徴についても医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
木村 香菜(医師)

名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

カメラ(胃内視鏡検査)とは?

カメラ、正式には胃内視鏡検査は、細い管状のカメラを使用して胃や食道、十二指腸の内部を直接観察する検査です。この検査は消化器の病気の早期発見や診断に非常に有効で、多くの医療機関で実施されています。特に鼻から挿入する方法は、より快適な検査を可能にする選択肢として注目を集めています。しかし、中には胃カメラ検査はしんどいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回の記事では、胃カメラ検査について鼻からの場合と口からの場合、それぞれのメリットやデメリットについて解説します。さらに、検査をできるだけ楽に受けるためのコツについてもご紹介します。

カメラを鼻から入れるメリット

鼻から入れる胃カメラには以下のようなメリットがあります。

嘔吐反射が少ないメリット

口から入れる場合と比較して、舌の付け根が刺激されないため嘔吐反射が起こりにくいです。

会話が可能メリット

検査中に簡単な意思疎通ができるため、安心感が増します。

ストレスが少ないメリット

検査中の不快感が軽減されることで、よりリラックスした状態で受けられます。

カメラを鼻から入れるデメリット

一方で、鼻からの胃カメラには以下のデメリットもあります。

鼻の痛みや違和感デメリット

スコープ挿入時に、どうしても鼻が痛いと感じたり、不快感を感じたりする場合があります。

鼻血のリスクデメリット

鼻粘膜が敏感な人では、出血することがあります。しかし、ずっと鼻血が止まらないと心配されるような場合はまれです。時間が経てば、自然に鼻血が止まることがほとんどです。また、鼻血を予防するために、検査前に薬剤(血管収縮薬)を霧吹きのようなもので噴霧してから行うことが一般的です。

視野がやや制限されるデメリット

口からのスコープに比べて細いスコープを使用するため、画像の解像度が劣ることがあります。

大きな病巣の切除は原則できない

鼻からの内視鏡検査でも、異常な組織を少量採取することは可能です。しかし、大きな病変の切除は原則できません。

カメラの嘔吐反射をなくすコツ

ここでは、嘔吐反射を最小限に抑えるためのコツをいくつか紹介します。

口から入れる場合

口から入れる場合のコツとしては、以下の様な方法があります。

口から入れる場合についてリラックスを心がける: 深呼吸をすることで筋肉の緊張を和らげます。

医師の指示に従う: 飲み込むタイミングや、検査中の呼吸のコツを医師が教えてくれる場合があります。

鼻から入れる場合

鼻から入れる場合のコツとしては、まず安定した呼吸を心がけることがあります。これによって、落ち着いた状態を保てます。また、医療機関では鼻腔を広げるスプレーを使用することが多いです。これによって、スコープの挿入がスムーズになります。

「鼻から入れる胃カメラ」についてよくある質問

ここまで鼻から入れる胃カメラについて紹介しました。ここでは「鼻から入れる胃カメラ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

鼻から入れる胃カメラの前処置は何をするのでしょうか?

木村 香菜 医師

鼻から胃カメラを入れる場合の前処置は以下のようになります。
1.前処置室では、胃をきれいにするための白い液体(消泡剤:ガスコン®水)を飲みます。
2.鼻腔を通りやすくするための薬(例:プリビナ®)を点鼻または噴霧します。
3.鼻腔内にキシロカイン®で麻酔を施します。この麻酔方法は施設により異なり、スプレーやスティックを使用する場合があります。
4.必要に応じて、のどにキシロカインスプレー®やビスカス®を使用して追加の麻酔を行うこともあります。
医療機関によっても多少異なるため、詳細については事前に問い合わせしておきましょう。

鼻から入れる胃カメラは麻酔がなくてもできるのでしょうか?

木村 香菜 医師

基本的に麻酔が必要です。麻酔を使用することで鼻腔の通過がスムーズになり、不快感を軽減できます。

まとめ鼻から入れる胃カメラはメリットとデメリット

鼻から入れる胃カメラは、嘔吐反射が少なく快適な検査方法として多くの患者さんに支持されています。ただし、適用が難しい場合やデメリットもあるため、医師とよく相談して最適な検査方法を選びましょう。胃カメラ検査は病気の早期発見にとってはとても有効です。健康管理の一環としてぜひ検討してみてください。

「胃カメラ」の異常で考えられる病気

「胃カメラ」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

胃がん

食道がん

胃・十二指腸潰瘍

逆流性食道炎

胃炎(ピロリ菌の有無など)

胃ポリープ

食道ポリープ

悪性リンパ腫胃粘膜下腫瘍

胃アニサキス症

参考文献

3.1)上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸内視鏡)と治療|日本消化器内視鏡学会

経口内視鏡と経鼻内視鏡の違いは何ですか?|日本消化器内視鏡学会

胃がん検診|国立がん研究センター