福島駅に到着したご一家

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【全2回(前編/後編)の後編】

 東日本大震災から15年。天皇皇后両陛下と共に4月6日から2日間、長女・愛子さま(24)は被災地・福島県を訪問された。行く先々で歓迎を受け、“愛子さまフィーバー”はますます過熱するばかりである。果たして、国民は愛子さまのどこに魅せられているのか。

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 前編では、書道、盆栽の巨匠を驚かせた愛子さまのエピソードについて紹介した。

 何事に対しても“手抜き”を良しとしない姿勢は、大学時代から遺憾なく発揮されていた。

「愛子さまはゼミの課題を提出する際、いつも期限ギリギリでした。ご本人も“私って遅いんですよね”とゼミ生の前で自嘲気味におっしゃって、大笑いさせたことがあるほど。なぜ遅いのかというと、納得するまでとことんご自分で調べ上げて、少しでも内容を充実させたいからなのです」(皇室ジャーナリスト)

 勉強熱心なのは、スポーツに対しても変わらない。

福島駅に到着したご一家

「今年1月、愛子さまにとっては6年ぶりとなる天覧相撲が行われました。愛子さまは熱心に取組をご覧になっては何かメモをお取りになっていた。案内役の八角理事長には“土俵が狭く感じる”と、素直なご感想を述べ、さまざまな質問をされていたようです」(同)

「皇室の一員としてのご自覚が強くなられた」

 物事に誠実に向き合われ、会う人をたちまち魅了する。このようなお人柄は、皇室のどのような環境で育まれたのだろうか。

「皇室の窓」(テレビ東京系)で構成作家を務める皇室ライターのつげのり子氏はこう推測する。

「2016年8月、上皇陛下が天皇退位の意向をにじませるお気持ちを表明されました。当時皇太子だった陛下が天皇になられる日が近づいたわけですが、私はこれが愛子さまの転機になったのではないかと考えています」

 当時、愛子さまは14歳である。

「その夏、陛下と雅子さま、愛子さまのご一家は、例年通りご静養のために那須塩原駅に到着されました。それまでは、駅で待ち受ける人々にお手振りをしてそのまま車に乗って行かれたのですが、この年からご一家は人々の元へ歩みを進めてお話をされるようになったのです。次の天皇として決意を新たにされる陛下をご覧になって、愛子さまも皇室の一員としてのご自覚が強くなられたのではないかと思います」(同)

「お顔を傾ける角度が雅子さまとご一緒」

 先のジャーナリストは、

「陛下は皇太子時代から、愛子さまの教育について“特別なことはせず、まずは一人の人として育ってほしい”と繰り返しおっしゃっていた。何かを押し付けるのではなく、愛子さまがご自分で皇族のご自覚をお持ちになるまで待ち続けるというのが、ご一家の教育方針であられたと思います。一方で、中学に入学後、伊勢神宮ご参拝など実践の場を増やしてもおられた」

 14年と24年、愛子さまの2度にわたる伊勢神宮ご参拝を取材した文筆家の千種清美氏によれば、

「最初のご参拝のとき、愛子さまの表情は硬く、少し不安げで、とても緊張していらっしゃることが伝わってきました。一昨年お一人で参拝されたときには、ご成長ぶりに驚きましたね。落ち着いた所作に、柔らかくにこやかな笑顔。ご品格がにじみ出ていました。また、お顔を傾ける角度が雅子さまとご一緒。お母さまの立ち居振る舞いをご覧になっているのではないかと推察しています」

「雅子さまに向けられた批判の苛烈さにはすさまじいものが」

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、こう語る。

「沖縄の小中学生が本土を訪れて記者の仕事を体験する“豆記者”という活動があります。04年に豆記者が東宮御所を訪れた際、当時皇太子だった陛下は、2歳の愛子さまを懇談の場へお連れになっています」

 戦没者慰霊をはじめとして、沖縄関係の行事は皇室が長年にわたり重視してきたご公務だ。

「つまり、愛子さまは物心がつくかつかないかといった頃から重要なご公務に同席され、陛下の背中を見てお育ちになりました。帝王学ではないにしても、ある意味で“英才教育”を受けられてきたのです」(同)

 現在の国民的人気については、次のように分析する。

「両陛下と愛子さまがお互いを支え合う、あの穏やかなイメージが大きいと思います。ご家族の関係性を語る上で、かつてご一家が経験された数々のバッシングは無視できません。愛子さまの不登校問題や、不調をきたしがちな雅子さまに向けられた批判の苛烈さにはすさまじいものがありました。こうした報道に耐えるためにこそ、お三方は寄り添い合う必要があったのでしょう。愛子さまのお出ましが増えているのも、いまだ単身でのご公務が難しい雅子さまをサポートしようというお考えがあるように思います」(同)

「国民が求める皇室像に合致」

 皇室制度に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏は、愛子さまのお人柄を踏まえてこう言う。

「通り一遍の質問ではなく、核心や本質を突くようなご質問から生み出される対話は、相手が誠意を感じ取ることにつながります。入念な準備をされても、それを決して前面にお出しにならない愛子さまからそうしたご質問があれば、魅了されるのも当然でしょう」

 愛子さまご自身の選択も、人気に拍車をかけた。

「日赤で働くことをお決めになった愛子さまは、まさしく困難な状況にある人々に寄り添うことを選ばれたわけです。国民はそれを“心の支え”として受け止めているはず。控え目でありながら、確実に国民に寄り添ってくださる愛子さまは、国民が求める皇室像に合致しておられます」(同)

 皇室典範改正を巡る与野党協議を目前に控える中、福島へのご訪問は“愛子天皇”待望の声をますます高めたに違いない。

 前編では、書道、盆栽の巨匠を驚かせた愛子さまのエピソードについて紹介している。

「週刊新潮」2026年4月16日号 掲載