古い一軒家で暮らしている祖父母の電気代が、真冬は『月3万円』近くかかっています。断熱リフォームを勧められましたが、見積もりは『150万円』でした。光熱費の削減だけで回収できる額なのでしょうか?

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築年数の古い一戸建てでは、冬場の電気代が大きな負担になるケースも少なくありません。とくに高齢の世帯では、健康面への配慮から暖房を長時間使用する傾向があります。断熱リフォームを行えば光熱費が下がるといわれますが、150万円もの費用をかけて本当に元が取れるのでしょうか。 本記事では、具体的な数字をもとに回収可能性を考えます。

真冬の電気代「月3万円」は高い? 年間負担を試算

真冬に電気代が月3万円かかる場合、12月から2月の3ヶ月間だけで約9万円になります。仮に春や秋は月1万5000円、夏は冷房で月2万円かかるとすると、年間24万円になりますが、使用状況によっては25万~30万円程度になる可能性もあります。築古の木造住宅で断熱性能が低い場合、暖房効率が悪くなり、どうしても光熱費がかさみやすくなります。
特に高齢者世帯では在宅時間が長く、日中も暖房を使用することが多いため、現役世帯よりも光熱費が高くなる傾向があります。月3万円という金額は突出して異常とは言えないものの、家計にとっては決して軽い負担ではありません。まずは年間の総額を把握することが、リフォーム判断の第一歩となります。

断熱リフォームでどれくらい光熱費は下がるのか

資源エネルギー庁によると、断熱リフォームを行うと、冷暖房効率が高まり、光熱費が20%程度削減できるとされています。仮に年間電気代が27万円で、20%削減できた場合、年間の節約額は約5万4000円です。30%削減できたとしても、年間8万円程度の削減にとどまります。
150万円の工事費を光熱費削減だけで回収する場合、年間5万4000円の節約なら約28年、年間8万円でも約19年かかる計算です。住宅の状況や施工内容によって差はありますが、単純な光熱費の削減効果だけを見ると、短期間で元が取れるとは言いにくいでしょう。特に高齢の祖父母世帯の場合、回収期間は慎重に考える必要があります。

光熱費以外のメリットと補助金制度も検討を

断熱リフォームのメリットは、光熱費削減だけではありません。室内の温度差が小さくなることで、ヒートショックのリスク軽減が期待できる点は、高齢者にとって大きな利点です。健康面の安心感や快適性の向上は、金額換算しにくいものの重要な価値といえます。
また、国や自治体の補助金制度を活用できれば、自己負担額を抑えられる可能性があります。仮に補助金で30万円支給され、実質負担が120万円になれば、回収期間も多少短縮されます。
さらに、窓だけの断熱改修など部分的な工事にとどめれば、費用を数十万円程度に抑えつつ効果を得られるケースもあります。全面改修だけでなく、費用対効果の高い選択肢を比較することが大切です。

回収年数だけでなく「安心」とのバランスを

150万円の断熱リフォームは、光熱費削減だけで考えると回収まで20年前後かかる可能性があり、短期的な投資効果は高いとはいえません。ただし、健康リスクの低減や住環境の改善といった付加価値も含めて判断することが重要です。
また、今後電気料金がさらに上昇した場合には、削減効果の金額も大きくなる可能性があります。一方で、住み替えや同居の予定がある場合は、投資回収前に家を手放すことも考えられます。将来設計まで含めて総合的に判断することが、後悔しない選択につながるでしょう。
 

出典

資源エネルギー庁 ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー