近年、マンション価格の高騰を受けて「戸建ての方がコスパが良い」と検討を始める方が増えています。しかし、マンション暮らしが長かった人ほど、戸建てに移った瞬間に「えっ、こんなはずじゃ……」と驚くポイントが意外と多いものです。
今回は、建築士でありホームインスペクターのさくら事務所執行役員CROの田村啓さんが、 マンションから戸建てへ住み替える際に注意すべき「5つの落とし穴」を徹底解説します。

■ マンションから戸建てへ:知っておくべき「5つの落とし穴」
マンションでは当たり前だった「便利さ」や「快適さ」が、戸建てでは工夫が必要なポイントに変わります。

1.予想外に膨らむ「初期設備費用」
マンションはワンフロアで効率が良いですが、戸建て部屋数や階数が増えるため、付随する設備費が跳ね上がります。特にエアコンは、マンションで2台だったのが、戸建てでは4~5台必要になることも。その他、カーテンや照明器具も「数」が増えるため、予算に余裕を持っておく必要があります。

2.「断熱・気密性能」の差と住宅内の温度差
鉄筋コンクリート造のマンションは、周囲の住戸が断熱材のような役割を果たしていますが、戸建ては外気に触れる面積が広いため、冬は冷えやすく夏は暑くなりやすい傾向があります。特に3階建ての場合、夏は最上階が非常に暑く、冬は1階が冷え込むといった「住宅内の温度差」が生まれやすいのが特徴です。

3.「24時間ゴミ出し」という特権の消失
マンション住まいの方が最も不便を感じやすいポイントです。24時間ゴミ出し可のマンションと違い、戸建ては指定の朝にステーションまで運ぶ必要があります。雨の日も寒い日も外へ出なければならず、身なりにも気を使う場面が増えます。

4.「生ゴミ処理」の悩み(ディスポーザーがない!)
マンションでディスポーザーを使っていた方にとって、生ゴミの管理は大きなストレスになり得ます。勝手口の外に置くと、地域によっては猫やカラス、アライグマなどの被害に遭うリスクもあるため、衛生面での工夫が求められます。

5.Wi-Fi電波が届かない問題
マンションの感覚でルーターを設置すると、電波難民が発生しがちです。特に木造3階建てなどは、1階にルーターを置くと3階まで電波が届かないことがよくあります。最初から「メッシュWi-Fi」などを活用したネットワーク設計を考えておく必要があります。

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